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2004 年度 実績報告書

放射光単色X線マイクロビーム細胞照射装置を用いた低線量放射線生物影響の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14208069
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

小林 克己  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (20114077)

研究分担者 宇佐美 徳子  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60232807)
前澤 博  徳島大学, 医学部, 教授 (00138653)
キーワード低線量生物効果 / 放射光単色X線 / マイクロビーム / バイスタンダー効果 / 個別細胞照射装置 / 放射線応答
研究概要

本研究の目的は、細胞を個別に認識して、選んだ任意の細胞にマイクロビームX線を照射する装置を開発し、低線量放射線の生物影響を研究することである。
初年度に開発された単色X線マイクロビーム細胞照射装置は、使用経験をもとにハードウエア、ソフトウエアともに順次改良が加えられ、定量的なデータを出すことが出来るようになった。その結果、以下のような結果が得られた。
1.DNAの二重鎖切断の指標となっているピストンH2AXのリン酸化を免疫染色法によって定量したところ、5ミクロン、10ミクロンのどちらのビームでも、線量に比例して蛍光強度が増加していた。さらにビームの面積で補正すると、両方のビームサイズのデータはほぼ一つの直線に載った。これはこの手法がDNA損傷の定量に使えることを示している。
2.個別の細胞にX線を照射して、それぞれの細胞がコロニーを作るか否かで判定した、マイクロビームX線に対する生存率を計測できた。計測細胞数の合計は約5000個にも上る。通常の広いビームを用いた実験結果と比較したところ、細胞の生存率は細胞核に対する照射X線量でほぼ説明できることが明らかになった。またこの検討過程において、細胞の一部にのみX線が照射された時の細胞に対する線量をどのように評価するか、という重要な問題が提起された。これは低線量の生物影響を研究する際には避けられない重要な問題であり、今後も検討を続けていく。
本研究で開発された装置は16年度から物質構造科学研究所、放射光科学研究施設で一般共同利用に開放され、16年度は5グループが利用研究を開始した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 放射光X線マイクロビーム照射装置を用いた研究の展望2004

    • 著者名/発表者名
      小林克己, 宇佐美徳子
    • 雑誌名

      放射線生物研究 39

      ページ: 191-200

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Chromosomal Aberrations in Normal Human Cells Induced by the Auger Effect via Ca Atoms2004

    • 著者名/発表者名
      K.Takakura, E.Gotoh, A.Sakano, A.Funada, Y.Kanasugi, A.Okabe, K.Kobayashi
    • 雑誌名

      Int.J.Radiat.Biol. 80

      ページ: 881-888

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 低線量放射線の生物影響研究のための放射光X線マイクロビーム細胞照射装置2004

    • 著者名/発表者名
      宇佐美徳子, 小林克己
    • 雑誌名

      放射光 17

      ページ: 213-219

  • [雑誌論文] Efficiencies of Double Strand Break Induction of DNA in Solution Induced by Photoabsorption at Phosphorus and2004

    • 著者名/発表者名
      M.Maeda, K.Kobayashi, K.Hieda
    • 雑誌名

      Int.J.Radiat.Biol. 80

      ページ: 841-847

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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