研究課題/領域番号 |
14208071
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武田 信生 京都大学, 工学研究科, 教授 (20026256)
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研究分担者 |
大下 和徹 京都大学, 工学研究科, 助手 (90346081)
高岡 昌輝 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80252485)
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キーワード | 浮遊選鉱 / 飛灰 / ポリ塩化ビフェニル / クロロベンゼン類 / 未燃炭素 / 粒径 / フロス |
研究概要 |
浮遊選鉱技術により、都市ごみ焼却飛灰中の有機汚染物質を除去することを目的に実験を行った。飛灰は、全連ストーカ式焼却炉の粉末活性炭および消石灰吹き込みなしの電気集じん機からサンプリングしたものを用いた。まず、飛灰中の有機汚染物質の濃度を調査した。クロロベンゼン類(CBzs)の濃度1200ng/g-flyash(ジクロロベンゼンからヘキサクロロベンゼン類までの総計)、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)の濃度は52ng/g-flyash(ジクロロビフェニルからオクタクロロビフェニルまでの総計)であった。この飛灰を粒径別に分画し、それぞれの分画中のCBzsおよびPCBs濃度を調べた。有機汚染物質の濃度は大粒径の飛灰粒子よりも小粒径の飛灰粒子に多く含まれていることがわかった。逆に未燃炭素については50%以上が500μm以上の粗大粒子に含まれていた。有機汚染物質を分離濃縮するための浮選における時間、pH、ガス流量、捕集剤ケロシンの添加量などの条件について、未燃炭素の回収率を指標として、最も高い回収率が得られる条件を探索した。最も高い回収率が得られた条件は、浮選時間30分、pH6、ガス流量0.7L/min、捕集剤0.3mLケロシン/gであった。その時飛灰中の未燃炭素は61.7%がフロス層に移行し回収された。また同条件で36.9%のPCBsがフロス層に分離濃縮された。この結果より、比較的省エネルギーで簡易な処理である浮遊選鉱技術の適用により得られたフロス層を焼却炉内に戻し分解させることによって、約40%程度の有機汚染物質の焼却施設外への排出を抑えることができることがわかった。
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