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2003 年度 実績報告書

新規開発NMR法によるH^+-ATP合成酵素回転触媒機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14208082
研究機関大阪大学

研究代表者

阿久津 秀雄  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (60029965)

研究分担者 八木 宏昌  大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (70332749)
藤原 敏道  大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20242381)
キーワード溶液NMR / 固体NMR / H^+-ATP合成酵素 / 区分安定同位体標識 / βサブユニット / 巨大タンパク質 / 構造解析 / サブユニットC
研究概要

H^+-ATP合成酵素の水相F_1ドメインについては、触媒部位であるβサブユニットのリガンドによる構造変化の解析に溶液NMRを用いて取り組んでいる。βサブユニットは約52000の分子量を持ち、今までの方法では解析が困難である。そこで、山崎等が開発したインテインによる区分標識法を用いて均一標識された^<13>C,^<15>Nの信号の約90%を帰属するのに成功した。この帰属を基にタンパク質の二次構造解析を行い、α_3β_3γ複合体中における二次構造とほとんど同じであることを確認した。これを基に、リガンド結合によるβサブユニットの構造変化を解析するために残余双極子の測定を始めた。H^+-ATP合成酵素の膜に埋まっている部分であるF。ドメインを構成するcサブユニットの大量発現と精製を行い、一定の^<13>C,^<15>N均一標識試料を得ることが出来るようになった。さらに、大腸菌由来cサブユニットの固体試料について解析を行うために、固体高分解能NMR測定法の開発を行った。膜蛋白質を研究するモデルとして15残基のペプチド、マストパランX-Glyを対象として、一連の技術の開発に取り組んだ。固体NMRによって、結晶を作ることなく、脂質膜にある蛋白質の構造と機能を解析できる。^<13>Cと^<15>Nで完全標識した試料の固体NMR信号を帰属するために、約5種類の2次元および3次元NMRパルス系列を開発した。
これらを用い、主鎖の炭素・窒素とβ炭素について完全な帰属を行った。等方化学シフトと立体構造の相関を利用して二次構造解析を行った。F_0F_1-ATP合成酵素cサブユニットについて、上記のような方法が適用できることを示すために、^<13>C均一標識試料について固体状態で、^<13>C2次元相関スペクトルを測定した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] A.K.Khitrin: "Phase-modulated heteronuclear decoupling in NMR of solids"J Magn.Reson.. 162. 46-53 (2003)

  • [文献書誌] Y.Matsuki: "Band-selective recoupling of homonuclear double-quantum dipolar interaction with a generalized composite degrees pulse : application to ^<13>C aliphatic resion-selective magnetization transfer in solids"J.Magn.Reson.. 162. 54-66 (2003)

  • [文献書誌] Y.Matsuki: "Precision 1H-^1H distance measurement via ^<13>C NMR signals: Utilization of the ^1H-^1H double-quantum dipolar interactions recoupled under MAS conditions"Magn.Reson.Chem.. 42. 291-300 (2004)

  • [文献書誌] T.Fujiwara: "Signal assignments and chemical-shift structural analysis of uniformly ^<13>C,^<15>N-labeled peptide, Mastparan X, by multidimensional solid-state NMR under magic angle spinning"J.Biomol.NMR. (in press).

  • [文献書誌] M.Sato: "X-ray induced reduction of the crystal of high-molecular-weight cytochrome c revealed by microspectrometry"J.Synchrotron Rad.. 11. 113-116 (2004)

  • [文献書誌] T.Saitoh: "Correlation between the g tensors and the nonplanarity of porphyrin rings in Desulfovibrio vulgaris Miyazaki F cytochrome c3, studied by single crystal EPR"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 77. 357-363 (2004)

  • [文献書誌] 阿久津秀雄 他3名編: "NMR分光法-原理から応用まで- (日本分光学会測定法シリーズ41)"学会出版センター. 260 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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