• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

小胞体機能異常による神経細胞死の分子メカニズム解明とその制御法開発

研究課題

研究課題/領域番号 14208093
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

今泉 和則  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (90332767)

キーワード小胞体ストレス / 神経細胞死 / カスペース12 / 神経変性疾患 / OASIS / 転写因子
研究概要

実験計画に従って、1)カスペース12活性化による細胞質へのデスシグナル伝達メカニズム、2)小胞体ストレスの際に発現上昇する分子の細胞死誘導あるいは抑制メカニズム、3)小胞体ストレスのシグナル伝達に重要な膜貫通型転写因子の機能解析を行った。
1.two-hybrid法で、カスペース12と結合する因子をスクリーニングし、5つの候補分子を見出した。その中でRanBPMという分子に注目して解析を行った。その結果、プロドメインが切断され、活性化したカスペース12とRanBPMが核内で結合することが明らかとなった。これはカスペース12が核内で基質分子を切断するときにRanBPMが補助因子として働く可能性を示唆する。
2.小胞体ストレスの際に発現誘導する遺伝子として昨年度同定したOASISの機能解析を行つた。その結果、1)II型の小胞体膜貫通タンパク質で細胞質側にbZIPドメインを有する、2)ERストレスを与えると、膜内切断によりN末側が切断され核に移行する。3)核に移行したOASISは転写因子として、シャペロンタンパクBiPやグルタミン酸トランスポータGLASTの発現を誘導する。4)OASISは、ERストレスからの細胞死を抑制することなどを明らかにした。以上の結果から、OASISは新規の小胞体ストレスセンサーであることが明らかとなりOASISを活性化することで神経変性疾患でられる神経細胞死を抑制する新しい戦略開発に道を開いた。
3.OASIS以外にも新規の小胞体ストレスセンサーとして5つの候補分子の取得に成功した。現在、それらタンパク質の機能解析中である。さらにそれら因子の活性制御機構を解明することで細胞死抑制方法を開発中である。
上記計画に加え、神経細胞死誘導遺伝子DP5が運動神経細胞および交感神経細胞のアポトーシスに必須の遺伝子であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Miyaso, H., Okumura, M., Kondo, S., Higashide, S., Miyajima, H., Imaizumi, K.: "An intronic splicing enhancer element in SMN pre-mRNA."Journal of Biological Chemistry. 278. 15825-15831 (2003)

  • [文献書誌] Manabe, T., Katayama, T., Sato, N., Gomi, F., Hitomi, J., Yanagita, T., Kudo, T., Honda, A., Mori, Y., Matsuzaki, S., Imaizumi, K., Mayeda, A., Tohyama, M.: "Induced HMGA1a expression causes aberrant splicing of Presenilin-2 pre-mRNA in sporadic Alzheimer's disease."Cell Death and Differentiation. 10. 698-708 (2003)

  • [文献書誌] Katayama, T., Imaizumi, K., Yoneda, T., Taniguchi, M., Honda, A., Manabe, T., Hitomi, J., Oono, K., Baba, K., Matsuzaki, S., Takatsuji, K., Tohyama, M.: "Role of ARF4L in recycling between endosomes and the plasma membrane."Cellular and Molecular Neurobiology. 23. 991-1001 (2003)

  • [文献書誌] Kondo, S., Yamamoto, N., Murakami, T., Okurnura, M., Mayeda, A., Imaizumi, K.: "Tra2b, SF2/ASE, and SRp30c modulate the function of an exonic splicing enhancer in exon 10 of tau pre-mRNA."Genes to Cells. (In press). (2004)

  • [文献書誌] Imaizumi, K., Benito, A., Kiryu-Seo, S., Gonzalez, V., Inohara, N., Leiberman, A.P., Kiyama, H., Nunez, G.: "A critical role for DP5/HRK, a BH3-only Bcl-2 family member, in axotomy-induced neuronal cell death."Journal of Neuroscience. (In press). (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi