研究課題
基盤研究(A)
ニューロンがその生まれた場所から本来あるべきところに移動する、脳の細胞移動は中枢神経系の層構造や神経核を形作る上で重要な現象である。大脳皮質が形成される過程でどのような細胞移動が起こって層構造になるかについてはまだ未知な部分が多い。大脳のような広い領域ではニューロンの生まれる時期について幅がある。本研究では大脳皮質脳室帯(VZ)に由来する皮質ニューロンの移動が生まれる時期が早いか遅いかの違いによって時期特異的な移動様式を示すかどうかについて解析した。GFPをコードする遺伝子を子宮内エレクトロポレーションによって胎生12.5日または胎生15.5日に導入し、標識されたニューロンを解析した。胎生12.5日の早い時期に標識された細胞は最初紡錘型をしていて後に球形ないし水平方向に配向した形、さらに放射方向に配向と形を変えた後に皮質板(CP)へと移動する。胎生15.5日の遅い時期に生まれた細胞は最初双極形をしていてその後長い突起を伸ばして放射状グリアに沿って移動し早い時期に生まれたニューロンよりもさらに遅い時期に皮質板へと移動することが分かった。また、Cdk5(Cyclin-dependent kinase 5)活性が遅く生まれたニューロンの移動にとって重要なことが分かった。これらのことから、生まれる時期の違いによって同じ大脳皮質のニューロンでもその移動様式、分子メカニズムに大きな違いがあることが分かった。
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