研究課題/領域番号 |
14208096
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小澤 瀞司 群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)
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研究分担者 |
飯野 昌枝 群馬大学, 医学部, 助手 (20008329)
都筑 馨介 群馬大学, 医学部, 助教授 (60222139)
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キーワード | ニューロン・グリア機能連関 / ベルクマングリア / グルタミン酸トランスポーター / プルキンエ細胞 / シナプス / GLAST / GLT-1 / Ca^<2+>透過性AMPA受容体 |
研究概要 |
本研究では、グリアによるシナプス活動の制御を小脳プルキンエ細胞のグルタミン酸性シナプス(登上線維シナプス及び平行線維シナプス)で系統的に解析するとともに、小脳ベルクマングリアなどのアストログリア系細胞において、グルタミン酸がグリアの形態に与える影響を調べ、その分子機序を解明することにより、ニューロンとグリア細胞の間に存在する機能連関の実態を明らかにすることを目指した。初年度の研究成果は以下の通りである。 1)グリアによるシナプス活動の制御 小脳ベルクマングリアに豊富に発現しているグルタミン酸トランスポーターであるGLASTのもつ機能的意義をGLASTノックアウトマウスを用いて調べた。プルキンエ細胞の登上線維シナプス及び平行線維シナプスのいずれにおいても、次のことが明らかになった。 (1)GLASTノックアウトマウスでは、シナプス間隙に放出されるグルタミン酸の除去過程の初期相が阻害される。 (2)しかしながら、ベルクマングリアには、GLAST以外に少量ながら別種のグリア性トランスポーターであるGLT-1が存在しており、GLASTノックアウトの条件下においてはGLT-1の活動が顕著になり、グリアによるグルタミン酸除去機能のかなりの部分は維持される。 2)AMPA型グルタミン酸受容体のCa^<2+>透過性がグリアの形態に与える影響 一部のヒトのグリオブラストーマ細胞にCa^<2+>透過性AMPA型グルタミン酸受容体が発現しており、アデノウイルスベクターの使用によりGluR2を強制発現して、Ca^<2+>透過性を失わせると、突起が退縮するとともに、細胞の移動能が低下することを見出した。この性質は、初代培養ベルクマングリア及び他のグリオーマ由来の培養株細胞でも共通して見られる現象なので、今後その分子機序を明らかにしていく。
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