研究課題/領域番号 |
14208099
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
棟方 正信 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50261326)
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研究分担者 |
西村 和晃 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40098017)
佐藤 康治 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30360928)
田島 健次 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00271643)
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キーワード | 歯プレセメント質 / 細胞走化性因子 / 細胞接着 / サイトカイン / 細胞増殖因子 / 組織再生 |
研究概要 |
歯周組織再生における理想的な再生療法は、歯周靭帯と歯槽骨の再生がほぼ同時に起こることである。しかるにGTR法などの実際の治療では骨再生が優先し、靭帯の再生はなかなか起こらないのが現状である。我々は、歯セメント質に靭帯と歯槽骨を同時に再生する効果があることを発見し、その有効成分を単離・精製した。有効成分のうち、歯周靭帯前駆細胞を歯根面に走化させる物質として66kDa,46kDaのタンパクを得た。66kDaは新規コラーゲンと考えられ、部分分解ペプチドからアミノ酸シーケンスを検討した。46kDaについては、N末端シーケンスから新規タンパクの可能性を得た。プローブを作成、cDNAライブラリーをPDL細胞から作成し、クローン化条件等を検討した。 実際の治療では、再生因子のほかに、細胞が増殖・分化する場として、さらには損傷部位を外科的切除したあとの空間に細胞が増殖するまで組織補強をする場(スペーサー)、また増殖・分化因子に徐放性を与える場としての生分解性scaffoldが重要である。従来、牛コラーゲン由来のゼラチン多孔性膜を用いていたが、BSE問題で使用が困難な状況にあり、牛コラーゲンに代わり、さらに優れた物性のコラーゲン膜材料として鮭皮由来コラーゲンを検討した。鮭は牛、豚、鶏など家畜由来と異なりヒト感染性のウイルスがいないことから安全といえるが融点が19℃と低く、ヒトに使用する場合常にゲル状であるという欠点がある。我々は、アテロ化鮭コラーゲンゲルに色々な架橋法、架橋剤を検討した。その結果、フィブリル化したのちEDCで架橋するとPDL細胞の増殖性が牛、豚由来のコラーゲンより良好でしかも融点が47℃とヒトに使用可能なコラーゲン膜を作成することに成功した。
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