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2003 年度 実績報告書

収束超音波による非侵襲的骨切断システムの基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14208102
研究機関東京大学

研究代表者

土肥 健純  東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (40130299)

研究分担者 久田 俊明  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40126149)
中村 耕三  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60126133)
松本 洋一郎  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60111473)
波多 伸彦  東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (50334256)
佐久間 一郎  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50178597)
キーワード収束超音波 / 骨きり術 / 音波シミュレーション
研究概要

(背景と目的)集束超音波を用いて,皮膚や筋肉層を切除することなく骨のみを低侵襲的に切除するという研究が,本研究室で進められている.しかしながら、従来は切削力の不足により,実際の骨の切除には至っていなかった.そこで本研究では,切削力の向上を目的とした.具体的には,トランスデューサの大型化,入力波形の改良,トランスデューサの複数化を行い,焦点における音圧を増大させた.
(方法)超音波トランスデューサを開口径と焦点距離が等しい凹面とすると、焦点での超音波の音圧は,トランスデューサの開口径に比例する.そこで,トランスデューサの開口径を従来の30mmから80mmへと大型化した.トランスデューサは,その共振周波数及び共振周波数の奇数倍の周波数で高出力が得られる.そこで,これらの周波数の正弦波を足し合わせた波である矩形波を入力波形として用いた.2つのトランスデューサの焦点を合わせて波を重ね合わせることで,出力の向上を図った.
(結果)入力電圧に対する音圧が,30mmのものに比べ,14%減少した.モデル切削実験では,直径30mmトランスデューサに関しては,直径6mm,深さ3mmの切削面が得られた.直径80mmのトランスデューサは,直径6mm,深さ2mmの切削面が得られた.矩形波を用いた際の焦点での音圧は正弦波の3倍であった.モデル切削実験では,正弦波を用いた際には直径6mm,深さ3mm,矩形波を使用すると,直径9mm,深さ5mmの切除面が得られた.一方のトランスデューサからの出力を固定し,他方のトランスデューサの出力のみを変化させたところ,固定したトランスデューサの分だけ焦点での音圧が向上した.トランスデューサを1つだけ用いた場合の切削実験では直径6mm深さ2mm,2つ用いた際には長径10mm,短径6mm,深さ5mmの楕円形の切除面が得られた.直径80mmのトランスデューサを2つ,入力波形に矩形波を使用して,豚の肩甲骨に照射したところ,直径1mm,深さ0.5mmの切削痕が得られた.
(まとめ)今回,これらの方法を用いてブタ骨の切除実験を行ったが,骨表面に小さな切除痕が得られただけであった.今後は,さらなる切削力向上のために,より多くのトランスデューサを用い,phased array[2]を構成し,骨切除を目指す.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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