研究課題/領域番号 |
14208104
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
井上 義夫 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (60016649)
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研究分担者 |
浅川 直紀 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (80270924)
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キーワード | 医用高分子材料 / ポリマーブレンド / ポリ(ε-カプロラクトン) / キチン / キトサン / 傾斜機能材料 / 生分解性プラスチック |
研究概要 |
本研究の目的は、生分解性と生体適合性を持つ脂肪族ポリエステルと、キチン、キトサンなどの全く異質の生分解性、生体適合性高分子材料を、固体材料の表面から内側に向けて組成に傾斜を持たせて複合化し、これにより複合材料の生分解性や生物活性等の機能に傾斜を持たせ、医用材料への応用に適した高機能性高分子複合材料を創成することである。 本年度は、昨年度に引き続き、組み合わせて複合化する新規高分子材料の探索と、組成傾斜を発生させるための方法論の開発について検討を行なうとともに、昨年度の研究により開発することに成功した生分解性脂肪族ポリエステル、ポリ(ε-カプロラクトン)、と天然多糖キチン及びキトサンから成る二成分組成傾斜ポリマーブレンドについて機械的性質と酵素による生分解性挙動を調べ、対応する均一二成分ポリマーブレンドの性質と比較し、組成傾斜が性質に及ぼす効果を評価した。 昨年度の研究において、材料の厚み方向に距離に比例した組成傾斜を発生させるためには、組み合わせる2種の材料がブレンド状態で相容であることが好ましいと考えられた。そこで今年度は新たに生分解性脂肪族ポリエーテルであるポリ(エチレンオキシド)とキチンから成る二成分ポリマーブレンドを溶媒キャスト法により調製し、示差走査熱量計、フーリエ変換赤外分光法などにより分析した結果、ポリ(エチレンオキシド)とキチンは相容なブレンドを形成することが分かった。キチンフィルムにポリ(エチレンオキシド)の溶液を多層キャストすることにより、組成傾斜を発生することができた。組成傾斜の状況は赤外顕微鏡により確認した。
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