研究課題
基盤研究(A)
本研究は、携帯型医用エコー診断装置をさらに軽量化し、ポケットまたは腕に装着可能なウェアラブル医用エコー診断装置開発の基盤技術を確立することを目的とし、また、医用計測システム全般に関して、全ての機能が一体化している必要がないとの見地から、機能分散型診断装置の開発を行ったものである。具体的には、4機能ユニット、即ち、超音波送受波電子回路部とプローブを一体化した集積化プローブ、計測したエコー信号や処理結果である画像信号をネットワークを用いて伝送する情報伝送部、エコー信号からBモード画像やカラードプラ画像を生成する画像処理部、観測者に上記の画像化結果を提示する画像表示部、それぞれの装備すべき機能を追及した。平成14年度(初年度)は、計測システムの機能分散に必要な各機能ユニットの基本仕様の策定とウェアラブル装置開発上の問題点を整理した。また病院その他の医療機関におけるインフラの現状調査を行った。平成15年度は、ウェアラブルエコー診断装置の基本仕様を策定し、基本設計と回路製作を実施し、試作した診断装置の性能試験を実施することにより、機能分散方式による医用計測システム設計の工学的有用性を検証した。具体的には、病院内での無線LANや有線/無線TVのインフラを利用した、回診その他の行為をサポートするシナリオや、在宅診療やホームヘルスケアといったインターネットを利用した通信実験をおこない、画像データ転送や機器操作を行った。平成16年度は、試作したシステムを用いた実環境を想定した応用時実験を行った。機器操作のためのユーザインタフェースや、遠隔で手技の手順を指示するための情報可視化方式などを検討し、プロトタイプにより有効性を確認した。更には、携帯型プローブを用いて穿刺術の支援を行う計測技術および可視化技術を開発し、提案した枠組みが上位のアプリケーションや医療サービスと親和性が良いことを示した。
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すべて 雑誌論文 (15件)
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