研究分担者 |
今泉 俊文 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (50117694)
伊藤 谷生 千葉大学, 理学部, 教授 (50111448)
岩崎 貴哉 東京大学, 地震研究所, 教授 (70151719)
池田 安隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70134442)
吉田 武義 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80004505)
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研究概要 |
活断層-震源断層の地震発生層における形状を明らかにすることは,内陸大規模地震の強震動予測や,島弧の地殻変動を理解する上で極めて重要である.本研究では,既存の地球科学的諸資料に基づいて,日本列島に分布する主要な活断層-震源断層システムの形状についてのモデル化を行うことを目的として研究を進めている.今年度は,とくに中央構造線活断層系について,反射法地震探査を基軸として研究を進めた.海洋科学技術センターと地震研究所が共同で実施した西南日本合同観測において,四国地域に稠密に独立型レコーダーを展開し,詳細な地殻上部の構造を明らかにした.この結果,中央構造線が北に約35度傾斜し,深さ25km程度まで追跡できることが判明した.また,地震研究所の浅層反射地震探査システムを用いて,これまで地下構造データがなかった四国西部の中央構造線の地下2km程度までの形状を明らかにした.この結果,和歌山や四国東部と同様,北に緩く傾斜する断層の形状が判明した. 東北地方の日本海側の活断層システムの形状を明らかにするために,国内の石油関係の反射法地震探査データの処理に利用されている反射法地震探査処理ソフトウェアーを導入し,日本海東縁部で石油公団が取得した反射法データの再解析を行った.また,山形県北西部において,石油資源探査で取得されている既存データの再解析を行った.山形県北西部・庄内平野と新庄盆地の反射法地震探査のデータ解析によって,活褶曲を構成する褶曲下,2-3kmには平行な反射層が位置しており,これらの活褶曲はほぼ水平なデタッチメントを伴う断層起因褶曲であることが明瞭になった. 北海道中軸部の短縮変動帯については,既存の石油公団の地下構造資料と変動地形学的な諸資料を総合し,天北地域の断層のモデル化を行った.
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