研究課題/領域番号 |
14209004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 教授 (00183385)
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研究分担者 |
岩崎 貴哉 東京大学, 地震研究所, 教授 (70151719)
池田 安隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70134442)
今泉 俊文 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50117694)
吉田 武義 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80004505)
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キーワード | 活断層 / 震源断層 / 反転テクトニクス / 反射法地震探査 / 活褶曲 / 構造線 / weak-fault tectonics / 日本列島 |
研究概要 |
内陸活断層の深部延長である震源断層の3次元形状を明らかにすることは、発生する内陸地震に伴って発生する強震動、発生する地震の規模を予測する上で極めて重要である。本プロジェクトでは、石狩低地東縁断層系、北由利衝上断層系、北上山地西縁断層系、新庄盆地東縁活断層系、庄内平野東縁活断層系、長野盆地西縁断層系、糸魚川-静岡構造線活断層系、関東平野北西縁活断層系,国府津-松田断層活断層系とくに松田北断層、中央構造線活断層系について、とくに反射法地震探査による地下構造のイメージングと、地質構造との関連によって、震源断層と活断層を一つのシステムとして、その幾何学形状のモデル化を行った。平成16年度は、全体のまとめとともに、庄内平野東縁活断層系において、浅層反射法地震探査を行いその地下形状を明らかにした。庄内平野東縁活断層系は南北方向にそれらの構造形態が変化する。南部では、千屋断層に類似したemergent thrustの形状を示し、これを引き起こした層準もほぼ同様の船川層もしくは女川層に相当する泥岩層中の低角度の断層である。この低角部を経て、東傾斜の震源断層に連続する。また、北上低地帯に沿った活断層の地下構造について、石油公団の反射法地震探査の再解析を行い、リフト形成期に活動したリストリックな形状をした正断層が高角部分をショートカットして、新たに断層を形成するfootwall short-cut thrustを見いだした。この現象によって逆断層性活断層トレースの低下側への不連続的な移動が説明できる。これらの断層系の地下構造の検討によって、逆断層の場合、地表の活断層トレースから機械的に断層を地下に延長することはできないこと、とくに地質構造形成史の中で、断層の形成過程に基づいて、形状が推定されるべきこと。トレースが大局的には連続する場合でも、地表部の活断層を引き起こす震源断層が異なる場合があり、全体の地質構造の中で活断層-震源断層システムの形状が理解される必要があることが明らかになった。
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