研究課題
本プロジェクトは、ネットワークの態様と文化表象の生産の2点に着目して、アジアのエリートの比較研究を行い、アジアのエリート研究のための新しい視点を構築することを目的としている。今年度は、韓国の成均館大学校東アジア学術院と共催シンポジウムを実施し、日本と韓国という複眼的な視点から、アジアのエリートの研究をする新しい試みを行うと同時に、これまでに引き続き、海外から研究者を招聘して研究会を開催し、海外調査と資料収集を実施した。共催シンポジウムは2度開催した。11月5日にソウルの成均館大学校東アジア学術院で開いた1度目のセミナーでは、日本と韓国の研究者が、東アジアのエリートのネットワーク、自己表象、社会経済的性格規定等の問題について討論するとともに、西アジアと東アジアのエリートの比較論を行った。第2回目は、「近代東アジアにおける検閲・出版・文学」というテーマの下に、1月29日に東洋文化研究所で開催した。このシンポジウムでは、植民地支配下の朝鮮における検閲の諸相を実証的に検討するとともに、比較の観点から台湾と「満州」の問題を取り上げ、さらに検閲の制度的源泉である日本について分析した。このシンポジウムは、文化的生産に関わる問題の中では、難しい問題に属する検閲について、日韓両国の研究者が率直な討論を行い、大きな成果を上げることができたので、雑誌『東洋文化』の特集号として成果を公刊する予定である。さらに、今年度は、2月5日に、アメリカから招聘した研究者と日本の研究者の共同で、「アジアにおけるエリートの肖像」というセミナーを開催し、肖像画に表象されたアジアのエリートという、造形的なアプローチからの比較研究を行った。また、11月28日に「エリートの比較社会史--近代を中心に」というセミナーを組織し、朝鮮、中国、韓国、オスマン帝国、植民地期インドのエリートについて比較論を試みた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (19件) 図書 (2件)
文学研究的新進路--伝播与接受(東華大学中文系編)(洪葉化事業有限公司)
ページ: 465-480
記録と表象:史料が語るイスラーム世界(林佳世子・桝屋友子編)(東京大学出版会)
ページ: 245-267
別冊太陽:ルーヴル美術館
ページ: 46-48
イスラームの神秘主義と聖者信仰(赤堀・東長・堀川編)(東京大学出版会)
ページ: 229-254
The Journal of Sophia Asian Studies 22
ページ: 1-17
ページ: 255-273
中国近世社会の秩序形成(岩井茂樹編)(京都大学・人文科学研究所)
ページ: 237-280
史学 73-1
ページ: 69-100
史学雑誌 113-11
ページ: 92-100
アジア遊学 64
ページ: 128-139
宋元の美--漆器を中心にして(根津美術館)
ページ: 42-44
イランを知るための65章(岡田恵美子他編)(明石書店)
ページ: 87-91
第11回ヘレニズム〜イスラーム考古学研究(金沢大学)
ページ: 62-66
歴史学研究 795
ページ: 21-31,80
歴史と地理 574
ページ: 54-58
International Journal of Asian Studies 1-1
ページ: 49-85
A paper submitted to an international conference "A Study on Empire and Network : Seaching Economic Order in Asia From 17th to 20th Century 京都大学人文化学研究所、2004年12月19日 (口頭発表)
ページ: 11
A paper sumibtted to an international seminar on "Religion, Culture and Society : North India in the 19th and 20th Centuries (In Memory of Dr.K.G. Saiyidain)", 17-19 December 2004, Jamia Millia Islamia, New Delhi. (口頭発表)
ページ: 34
史朋 37
ページ: 1-26