研究課題/領域番号 |
14209009
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
若松 佑子 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (20026800)
|
研究分担者 |
尾里 建二郎 名古屋大学, 名誉教授
橋本 寿史 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助手 (30359757)
清木 誠 科学技術振興機構, SORSTプロジェクト近藤研究チーム, チームリーダー
|
キーワード | 透明メダカ / ミュータジェネシス / 変異体 / 内臓器官 |
研究概要 |
本研究では成体で発病する疾患モデルをスクリーニングすることを目的として透明メダカを用いてミュータジェネシスを行っている。昨年度の予備実験を基礎に、雄の透明メダカを変異原(ENU、エチルニトロソウレア)で処理して2回のスクリーニングを行った。 (1)一回目のミュータジェネシス:37個体の雄に通常の強度(1mM ENU,2h)で毎週4回の処理を行い、最終的に4個体が生残した。このうち、2個体が繁殖力を持っていたので、これらの個体を野生型透明メダカと交配してF1個体を収集した。さらにこれらのF1個体同士を交配することにより、29のF2ファミリーが得られた。各F2ファミリー内で7ペアの交配を行い、F3個体を育成している。 (2)二回目のミュータジェネシス:一回目の結果を反省し、二回目の変異原処理には、比較的若い雄を用いるなどの改善をした。その結果、30個体の雄を4回処理して最終的に26個体が生残した。このうち22個体から、それぞれF2ファミリーを収集するのに十分な数のF1個体を得ることができた。現在、(1)と同様に、F2ファミリーの収集を行っている。ここから一回目のミュータジェネシスの10倍規模以上のスクリーニングが可能となるはずである。 (3)単離された突然変異体:一回目のミュータジェネシスから、優性突然変異体が1個体得られた。この変異体では、異所的に腎臓(糸球体)が形成されていた。目下この個体から得られたF2個体を育成・観察中である。将来この変異体を解析することにより、腎臓(糸球体)形成の位置あるいは数を制御するメカニズムが明らかになるかもしれない。実際に変異体が単離できることを確認するため、胚期に異常を示す変異体もスクリーニングしている。現在までにスクリーニングを終了した4つのF2ファミリーのうち、2ファミリーでは、内臓逆位や片眼形成不全といった表現型がそれぞれ観察されている。
|