研究概要 |
1.インターネットを経由した学習データ収集と到達度情報のフィードバックシステムの開発とそれを利用した遠隔学習実験の実施 学習者の全ての反応データをインターネットを経由して収集するシステムと,ノートパソコンを高校生に配付し,自宅で英単語学習を実施してもらう実験を半年間実施しつつ,システムの改良を行った.インターネットを利用したデータ収集と分析結果の自動フィードバックシステムの開発に困難が伴ったため,完全な自動化システムのテストは次回の実験に持ち越された. 2.学校で日常的に行われているドリル学習に対する新しいスケジューリング法の有効性の確認 これまでパソコンの利用を前提としてきたシステムのうち,学習コンテンツリストを生成するシステムを利用し,高等学校で日常的に行われている英単語のドリル学習の時間を利用して,学習者の自覚できない到達度段階を描き出す実験を実施した.その結果,わずかなドリル学習の効果を,短期間で非常に明確に描き出すことに成功した.また,そのデータを学習者にフィードバックすることにより,学習者の自己効力感が上昇することも確認した.これにより,一般の学校で頻繁に行われている機械的なドリル学習を,学習者のやる気を高める教材として利用できる可能性が示された.また同時に,短期間の学習で到達度の上昇を描き出すために導入された新たなスケジュール法の有効性も確認された. 3.コンテンツデータベースの整備 全国の15国立大学の大学生を対象に行った,約2000語の英単語に対する回答データの解析を進め,高校生に意味のある英単語の抽出を行い,さらにその単語を利用した記憶実験を大学生対象に実施し,過去の知見との整合性を確認した.また,大学生を対象にした実験を実施するために,教職関係の用語のリストアップを行った. 4.学習データの自動バックアップシステムの運用確認 学習者の反応データをインターネット経由で収集し,複数の場所で確実に保管するための自動バックアップシステムを構築し,運用の確認を行った.
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