研究課題
1.鏡の三次元精密計測と表面加工痕跡の観察東京国立博物館に所蔵されている三角縁神獣鏡、約100枚について、鏡表面のレーザー三次元形状計測を実施した。計測は、レーザーレンジセンサーを用いた非接触の三次元精密計測機を用いて鏡背面を計測して立体画像を作成する。この立体画像に任意の方向から陰影をつけて観察し、任意の位置で断面図を作成する。さらに、この立体画像に透過X線による内部欠陥の比較検討やデジタルマイクロスコープによる加工痕跡の観察などを加えて、三角縁神獣鏡の鋳造技術や加工技術に関する研究を進めている。さらに、この計測値を可視化した立体画像を元に表面加工痕跡の観察、現在の保存状況の実見観察を実施した。また、鏡の詳細な写真記録を撮影した。2.三次元計測を利用した鋳造技術の検討新たに開発した差異自動的検出プログラムを用いて、同笵・同型鏡における三次元の差異を検出し、これまでの調査結果と合わせて三角縁神獣鏡の製作技術を検討した。その結果を日本文化財科学会第19回大会で発表した。3.計測技術の開発可搬型の三次元計測装置(ATOSIIシステム)を購入して、計測から解析・可視化までのシステムを構築した。
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