研究課題/領域番号 |
14251004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
深澤 秀夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10183922)
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研究分担者 |
森山 工 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70264926)
菊澤 律子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (90272616)
内堀 基光 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30126726)
飯田 卓 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助手 (30332191)
杉本 星子 京都文教大学, 人間学部, 教授 (70298743)
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キーワード | マダガスカル / インド洋 / 文化人類学 / 資源 / 政治的対立 / 国家経済 / 不平等 / 配分 |
研究概要 |
マダガスカルでは、2001年12月に行われた大統領選挙の結果をめぐり、それまでの現職と対立候補の二人が、2002年1月よりマダガスカル各地において、政治集会、支持者の襲撃首都圏の経済的封鎖、軍隊同士の銃撃戦などの対立、抗争を行い、社会的不安定状態が2002年7月まで続いた。この抗争は現職の海外脱出によって終焉しその後はゆるやかに政治的、経済的回復をたどったものの、8月の大学休業時期にはまだ完全に状況が沈静化したわけではなかったため、森山・杉本・飯田はマダガスカル現地における調査を断念し、この時期、フランス国立公文書館における文献調査、パリにおける在フランスマダガスカル系住民の生活調査、フランス海外県レユニオンにおけるマダガスカル系住民およびマダガスカル国籍保持者の儀礼および職業についての調査、モーリシャスにおける、インドーパキスタン系住民のインド洋におけるネットワークの調査を行った。事態が完全に沈静化した、11月から12月にかけて内堀が焼き畑耕作民の生活・生業調査、また2003年2月から3月に深澤がマダガスカルで稲作と政治状況の調査、同期間菊澤はフランスとマダガスカルにおける言語使用実態の調査を行った。 以上のように2002年はマダガスカルの政治的状況が科研費を申請した時点と比べ大きく変わったため、現在はその変化を政治レヴェルおよび人びとの生活レヴェルの双方においてできうる限り微視的に把握することにつとめている。しかしながら、この政治状況の変化は、マダガスカルの人びとの間における資源の獲得競争を緩和するどころか、政争によるマダガスカル国家経済全体の疲弊と落ち込みを引き起こし、資源的配分の不平等は今後ますます切迫し先鋭化する様相を見せている、それゆえ、表記の研究課題についてはいささかの変更も必要としないばかりか、その重要性が一層高まっているものと考え、自負している。
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