研究課題/領域番号 |
14251004
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
深澤 秀夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10183922)
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研究分担者 |
森山 工 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70264926)
菊澤 律子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (90272616)
内堀 基光 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30126726)
飯田 卓 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助手 (30332191)
杉本 星子 京都文教大学, 人間学部・文化人類学科, 教授 (70298743)
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キーワード | マダガスカル / インド洋 / 資源 / 不平等 / 地方独立制 / 文化人類学 / 生活戦略 / 構造調整計画 |
研究概要 |
2003年度は、研究代表者の深澤が、2003年9月から12月および2004年3月に、マダガスカルのマジュンガ州の都市部において金細工師の技術体系、同じくマジュンガ州の農村部においてツィミヘティ族の稲作技術の変化とそれに対応した耕作組織の実地調査を行い、研究課題にかかわる資料を収集した。また、深澤は、2004年3月16日に、本研究のマダガスカル側共同研究機関である国立アンタナナリグ大学考古-芸術博物館・文明研究所において、ツィミヘティ族調査報告:祖先による憑依について」の口頭報告を大学教員・研究員および学生の前で行った。 内堀は、2004年1月にマダガスカルのフィアナランツア州の農村部において、焼き畑耕作民であるザフィマニリ族の人びとの生業の変化を減少しつつある森林との関係において実地調査を行い、研究課題にかかわる資料を収集した。この成果は、マダガスカル研究懇談会における口頭報告および同会のニュースレターの記事として、公開された。 菊澤は、2003年9月から11月にかけて、マダガスカルのタマタヴ州の農村部において、焼き畑耕作民であると共に近年急速に水田稲作が普及しつつあるベツィミサラカ族の言語資料および口頭伝承資料を、実地調査によって収集した。この調査成果は、Journal of Asian and African Studiesに2004年度中に発表される予定である。 森山は、2003年10月にフランスのパリを訪れ、パリ大学・国立東洋語学院・人類博物館などにおいてマダガスカル東南部に居住するアンタイサカ族などについての文献資料を収集し、アラビア文字によって表記されたマダガスカル語文書を保有するこれらの民族の間における資源としての知織の配分と伝承を考察するための資料を補足した。また、パリに在住するマダガスカル人についての実地調査を行い、国籍・学歴・親族関係がどのように資源として活用されているかについての資料を収集した。 杉本は、2003年12月から2004年1月にかけて、モーリシャスおよびマダガスカルのアンタナナリヴ州において、布の販売とファッション、および養蚕による絹織物の技術の伝承と開発についての実地調査を行い資料を収集した。研究成果の一部は、『京都文教大学人間学部研究報告』および『国立民族学博物館調査報告』において、既に公開されている。 飯田は、2003年10月から11月にマダガスカルのチュレアール州の漁村において、漁業民のヴェズ族の人びとが魚場の資源の変動に対応したどのような活動を行っているかについての実地調査資料を収集した。その成果の一部は、『先住民による水産資源の分配と商業流通』として国立民族学博物館から公刊された。 2002年の一部武力衝突を伴った大統領の交代は<自由競争>と言う名のもとでの資本や資源の寡占化を強化しつつあり、本調査研究は、それに伴う社会的・文化的変動の諸相の実地資料を現在着実に収集しつつある。
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