研究課題/領域番号 |
14251011
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
吉田 憲司 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 教授 (10192808)
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研究分担者 |
和田 正平 甲子園大学, 人間科学部, 教授 (50110086)
加賀屋 良平 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70014511)
井関 和代 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (60073285)
慶田 勝彦 熊本大学, 文学部, 教授 (10195620)
佐々木 重洋 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00293275)
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キーワード | 国際研究者交流 / 多国籍 / 技術 / 民族誌 / データベース / 博物館 / 文化人類学 / 考古学 |
研究概要 |
本研究計画では、過去4年間にわたり、研究分担者がバントゥ系諸民族の指標文化に関する民族技術誌的研究を現地で実施し、その成果を現地博物館と共有する一方、その作業と連動するかたちで、バントゥ文明圏の各博物館に所蔵されている民族誌・考古学資料の共有データベース構築の作業を進めてきた。 計画の最終年度に当たる本年度は、バントゥ文明の指標文化の中でも、とりわけ重要な意味をもつ製鉄技術に焦点を当て、これまでにえた資料を基にして日本国内とカメルーンにおいて再現実験を行い、その技術を検証した。製鉄はバントゥ系諸民族の移動と拡大の最大の指標とされているが、屑鉄の入手が一般化した過去50年のあいだに製鉄活動はほぼ完全に消滅している。今回の実験により、われわれはその技術の再現に成功するとともに、地域的なバリエーションの特徴と、その形成の要因を特定することができた。 製鉄以外の指標文化については、研究分担者の吉田憲司、井関和代、飯田卓と研究協力者の亀井哲也が、それぞれザンビア、カメルーン、マダガスカル、南アフリカ/スワジランドにおいて、家屋や薬品、染織、宗教儀礼について現地調査を継続し、一次資料を充実させた。年度の後半には、国内で連続的に研究会を実施し、このようにして過去4年間にバントゥ文明圏各地で収集した資料・情報を集積し比較分析を進めた。この作業により、バントゥ系諸民族の拡大の過程に関する一定の見通しを得るにいたった。 また、本計画の4年間の活動により、中南部アフリカ7カ国と日本の計8カ国・13の博物館が所蔵する民族学・考古学資料の共有データベースの構築が完了し、サイバー・ミュージアムとしてWEB上で共同利用することが可能となった。このサイバー・ミュージアムは、本計画を通じて築かれた博物館のネットワークを通じて、今後も継続的にデータを充実させ、文化遺産情報の共有化とそれに基づく研究の推進に活用していくこととなる。
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