研究課題/領域番号 |
14251016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
新田 栄治 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (00117532)
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研究分担者 |
中村 直子 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (00227919)
渡辺 芳郎 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (10210965)
根建 心具 鹿児島大学, 理学部, 教授 (10107849)
小林 青樹 國學院大學栃木短期大学, 専任講師 (30284053)
新里 貴之 鹿児島大学, 法文学部, 助手 (40325759)
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キーワード | メコン / カンボジア / 国際研究者交流 / スナイ遺跡 / 金属資源 / 鉄 / ラテライト / ウーライト |
研究概要 |
本年度の研究実績 カンボジア北西部、とくにシェムレアプ州を現地調査地として、金属資源の探査及び金属製品の調査と資料収集を行った。カンボジアにおける鉄資源の解明に集中した。プノム・クーレン南麓部での金属及び岩石調査を行い、鉄資源として有望視されるラテライトの採掘地を踏査し、当地域での土壌のラテライト化の実態を解明した。あわせて、差建築材料の一つである砂岩の露頭の探査をおこなった。 鉄資源に関して、当地方に広く散在する年度粒や小砂粒を核として酸化鉄の皮膜で被覆された鉄ノジュール、すなわちラテライトに起因して生じるウーライトが製鉄原料として有力な候補であることが推定できた。 また、シェムレアプ西方にある出土遺物から5〜6世紀と推定される平原居住遺跡、スナイ遺跡の現地踏査を行い、墓葬跡から鉄斧及び鉄滓の採集を行った。スナイ採集の鉄斧と鉄滓の金属分析を行い、鍛鉄製品であり、出土鉄滓は鍛冶滓であることが解明された。また鉄斧のソケットに残存していた木質部をサンプルとしたAMS年代測定では、1550+50BPの年代地が得られ、出土遺物による推定年代と合致することが明らかとなった。また、柄として使われた樹種について、広葉樹、おそらく落葉性広葉樹、すなわちチークのような樹種であることが推定できた。 鉄原料の候補としてのラテライトおよびウーライトの埋蔵の確認、および、5〜6世紀の居住遺跡において鉄製品が鍛造によって製作されていたことが明らかになった。
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