研究課題/領域番号 |
14253001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉井 讓 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00158388)
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研究分担者 |
土居 守 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00242090)
川良 公明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50292834)
小林 行泰 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 教授 (50170361)
峰崎 岳夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60292835)
青木 勉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10251414)
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キーワード | 観測的宇宙論 / 活動銀河核 / 赤外線検出器 / 時間変動 / 宇宙塵 / 自動天文観測 |
研究概要 |
試験観測当初からモニター観測を行なってきた近傍活動銀河核NGC4151について、可視から近赤外線までの他波長の変光のデータを解析し、赤外変光の可視に対する遅延時間を高精度(±5%)で測定した。これまで我々はダストトーラス反響探査法に基づいて遠方の活動銀河核までの距離を測定する方法を提案してきたが、それは活動銀河核の可視絶対光度と近赤外線変光遅延時間との相関によって確証することができる。文献中のデータと今回のNGC4151データとを合わせ、距離測定法を観測的に支持する相関が存在することを論文にまとめ、アストロフィジカルジャーナル誌に発表した(Minezaki et al.2004ApJ,600,L35)。 試験観測当初から観測を行なってきたその他の活動銀河核についても解析を進め、いくつかの銀河核から近赤外線変光の遅延現象を検出した。さらに近傍活動銀河核および遠方クエーサなど、観測天体の追加を大きく進め、現在では70個近い活動銀河核を定常的にモニター観測を行うに至った。また、活動銀河核のダストトーラスの「サイズ」だけでなく、温度構造などの情報を得る目的で、近赤外線でモニター観測する波長帯の数も増やした。 遠隔自動観測のためのハードウェアおよびソフトウェアの整備と改良も継続して進めた。観測天体のリストのなかから現在観測に適した天体を選び出す観測天体スケジューラも安定して動作するようになり、自動観測システムと遠隔監視システムについても信頼性の向上を中心に改良を進めた。これらの作業の結果、1ヶ月程度の完全無人自動観測に成功している。安全のために日本から観測状況の遠隔監視を行なっているが、観測は基本的に完全自動で行なわれるようになった。
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