研究分担者 |
松本 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80165894)
浜野 洋三 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011709)
多田 隆治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30143366)
升本 順夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60222436)
山形 俊男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50091400)
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研究概要 |
ダイポール変動が降水量の正のアノマリーとして現れるインド洋西部において,2002年9月29日〜10月19日にセイシェル,ケニヤ,エジプトにおいて調査と地質試料採取を行った.セイシェルとケニヤでは,サンゴコアの採取を行った.セイシェルでは3群体から8本,最大長1.7m,ケニヤでは3群体から8本,最大長2.4mのコア(径55mm)を採取した.エジプトでは,カルーン湖というナイル川から溢れた水が作る内陸湖において,押し込み式コアラーによって,コア長50cm〜1mの不かく乱コアを5地点から採取した. サンゴコアは,酸素同位体比や微量元素濃度の変動として,湖底堆積物は堆積物の岩相変化として,過去の降水量変動を記録していることが期待される.現在は,こうした分析のための前処理を進めている.サンゴコア試料は,ダイアモンドソーによって厚さ7mm程度のスラブに切り出した後,研磨して厚さ5mmにそろえ,X線撮影によって年輪を確認する.来年度は,成長方向に沿って試料を採取して,その酸素同位体比と微量元素,放射性炭素濃度の測定を行なう.湖底堆積物は,半割後,厚さ5mmの板状試料を採取して,X線撮影を行い,堆積相と年層を確認する.また基底部の放射性炭素年代測定を行ない,堆積年代と堆積環境を検討した.また,帯磁率の測定を行った.来年度は,こうして得られた結果と降水量記録とを比較して,堆積層に降水量変動が記録されている可能性を検討し,見込みがあるようであればピストンコアラーによるより長いコアの採取を検討する. 来年度は,採取試料の分析を中心に行い,降水量記録との比較を進め,ダイポール変動の長期的復元を目指す.
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