研究分担者 |
松本 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80165894)
浜野 洋三 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011709)
多田 隆治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30143366)
升本 順夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60222436)
山形 俊男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50091400)
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研究概要 |
ケニヤとセイシェルにおいて平成14年に採取したサンゴ年輪コアについて,以下の分析を行った.コアから厚さ5mmのスラブを切り出し,ソフトX線撮影を行い,年輪を同定した.オーストラリア海洋研究所において,スラブの密度と蛍光強度の測定を行った.さらに,酸素・炭素同位体比の測定を進めている. 昨年予察的に湖底堆積物コアを採取したエジプトのカルーン湖において,本年度はピストンコアラーによってコア径68mm,コア長最大618cmのコアを,全部で5本採取した.コアは半割して,ソフトX線撮影のためのスラブ,粘土鉱物同定のための試料,年代測定用試料,古地磁気学的測定のための試料を採取した.現在,その解析を進めている.ピストンコアラーは6mのコアが採取できるように改良したものを用いた.コアラーの改良・テストは中海において行い,ここで採取されたコアの分析は終了し,過去2600年問の古地磁気変動の記録を復元することができた.この手法はカルーン湖コア試料の解析にも適用することができる. 一方,大気海洋結合モデルを200年間以上にわたり積分した結果を解析して,ダイポール変動の再現性と様々な地域の気候変動に及ぼす影響を調べた.その結果,十年から数十年の時間規模でダイポール現象の発生頻度に変調が見られること,ダイポール現象はアフリカ東岸域やアジア東部の降水変動などに影響を及ぼしていることが明らかになった.
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