研究分担者 |
林 拙郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (50024584)
水山 高久 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00229717)
小川 滋 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30037973)
鈴木 雅一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10144346)
土屋 智 静岡大学, 農学部, 教授 (60197720)
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研究概要 |
1999年台湾で発生した地震は甚大な人的・物的被害をもたらした。この地震で台湾中央部の山地では多数の斜面崩壊・土石流が発生した。本研究は,この大地震に関連して,地震後の土砂災害の推移,台風による土砂災害の実態,土砂災害をもたらす気象・水文,地震による斜面の強度低下の実態と斜面崩壊の発生機構,地震後の斜面および河道部の地形変化,地震および土地利用開発による森林の水土保全機能の変化と土砂災害,地震後の土砂災害に対する警戒避難システム,地震による土砂災害の歴史と地形変化などについて検討することである。本年度に実施した調査と得られた成果は以下のように要約される。 1.地震後の斜面の地形変化を把握するために,清水渓上流にモデル流域を設けた。モデル流域の地震前後の空中写真を判読して,崩壊地の分布の推移を調査した。さらに現地で渓流の横断・縦断測量を実施した。今後定期的に測量することによって地震後の地形変化が定量的に明らかになる。 2.地震後の土石流の発生や流出特性の変化を把握するために,土石流・出水を観測するカメラ,超音波式水位計,雨量計を設置した。今後,梅雨時期や台風時期の大雨によってデータが蓄積されることになる。 3.地震によって発生した代表的な崩壊地(九分仁山,草嶺,九九峰)において,斜面の強度特性やその変化を把握するために土質試験を実施した。 4.地震に伴う土砂災害の警戒避難システム構築のための基礎資料を得るために現地住民,行政担当者から聞き取りを行った。 5.地震前後において水文・気象と土砂災害発生との関係を分析するために,台湾の共同研究機関から観測資料を収集した。
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