研究課題/領域番号 |
14254003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
庄子 仁 北見工業大学, 未利用エネルギー研究センター, 教授 (50201562)
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研究分担者 |
南 尚嗣 北見工業大学, 機器分析センター, 助教授 (40241426)
前田 寛之 北見工業大学, 工学部, 教授 (00003202)
高橋 信夫 北見工業大学, 工学部, 教授 (20108187)
八久保 晶弘 北見工業大学, 未利用エネルギー研究センター, 助教授 (50312450)
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キーワード | メタンハイドレート / ガスハイドレート / 海底土壌 / オホーツク海 / バイカル湖 / チムニー / 結晶成長 / クラスレート構造1型 |
研究概要 |
観察窓付きの高圧容器に海底土壌と水を入れ、容器の底部から少しずつメタンガスを送り込んで人工ガスハイドレートを育成した。土壌の重量含水率が50%を越えると、内部に管状ガスハイドレートが生成した。この管は土壌から水中に出たところでチムニーとなり、自然界でのチムニー構造生成を再現したことになる。管の上端では瞬時にハイドレート膜が形成されるが、ガスの内圧と周辺部の水圧の差によって膜上部が破壊され、ガスバブルを放出しながら管が成長する。また、土壌粒子のサイズと生成したガスハイドレートの形状の間の関係を調べるため、土をふるい分けしてシルト粘土、細砂、粗砂に分けて人工ハイドレートを育成した。シルト粘土を用いた場合に、最も大きな塊状のガスハイドレートが得られた。これは、凍土中のアイスレンズ生成メカニズムに類似した毛細管現象による物質輸送が起こっているものとして理解できる。オホーツク海サハリン東沖の海底およびバイカル湖の湖底には、メタンハイドレート鉱床の露頭が現れている。平成15年度の本格的なオホーツク海調査を前に、ハイドレート試料を入手して予備実験を開始した。結晶組織・構造解析が行われ、ともにクラスレート構造1型であることが判明した。 国際共同研究をスムーズに行うために、ロシア地質学海洋鉱物資源研究所およびV.I.イリチェフ太平洋海洋学研究所と北見工業大学との間で、それぞれ共同研究のための覚書が交換された。これをベースに、ドイツ(ゲオマール海洋地球科学研究センター)、ベルギー(ゲント大学)、韓国(海洋研究開発研究所)を含めた5カ国の間で平成15年夏のサハリン沖海底調査およびハイドレート試料採取のプロジェクト計画(CHAOS ; hydro-Carbon Hydrate Accumulations in the Okhotsk Sea)が企画立案され、実施に向けて現在準備中である。
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