研究課題
1.フィールド調査ロシア、韓国と共同でオホーツク海サハリン沖のメタンハイドレート調査を平成17年5〜6月(2週間)に実施した。その結果、北調査領域では新たに3地点において、南調査領域のラブレンティエフ海底断層付近では新たに2地点において、表層型メタンハイドレートに対応する湧水ストラクチャーを発見し、堆積物コアからハイドレート試料を採取した。2.実験室解析・ガス解析:堆積物から放出された炭化水素ガスについて測定解析を行い、LV36-87H地点で採取されたコアの放出メタンガス量が、バックグラウンド値の約1000倍(この地域で最大)になることを観測した。・間隙水分析:硫酸イオン濃度が海底下約40cmで急激に減少することを観測した。これは、深部からのメタンガスとの反応により、HS-およびHCO3-に変わったものとして解釈できる。・同位体解析:メタンガスの13C測定とガス組成測定により、オホーツク海サハリン沖の表層型メタンハイドレート中のガスはバクテリア活動起源であることを明らかにした。・氷に閉じ込められたガスハイドレートの電子顕微鏡観察に成功した。・ガスハイドレートの潜熱測定を行い、その値がゲスト分子のガス組成に依存して変化することを明らかにした。・堆積物を一度乾燥させると、水を加えて同じ含水率にしても動粘度の値が著しく低下することを実測により求めた。3.研究業績の一部は、Fifth International Conference on Gas Hydrates(2005年6月.トロンハイム市)とFourth Vereshchagin Baikal Conference(2005年9-10月イルクーツク市)で発表された。
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