研究課題/領域番号 |
14254004
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
武岡 英隆 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90116947)
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研究分担者 |
田辺 信介 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (60116952)
大森 浩二 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 助教授 (10152258)
鈴木 聡 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90196816)
中野 伸一 愛媛大学, 農学部, 助教授 (50270723)
門谷 茂 北海道大学, 大学院・水産学研究科, 教授 (30136288)
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キーワード | 海面養殖 / 漁場管理 / 適正養殖 / 硫化物濃度 / インドネシア / 有機スズ / 魚病 |
研究概要 |
本研究は、東南アジアの沿岸海域を対象として、過度の海面魚類養殖による環境破壊を未然に防ぐための基礎研究をおこなうことを目的としている。昨年度は、初年度の予備調査によってメインフィールドに選んだ、インドネシア・スマトラ島南部のランプン湾とその支湾であるフルン湾において、自動モニタリング測器を設置して水温等の測定を継続的に行った。また、乾期である7月〜8月、雨期の12月の2回にわたり、水質等6項目の現地調査を行った。今年度は、自動モニタリングを継続するとともに、乾期と雨期には、以下の4項目の現地調査を行った。 1)魚類養殖場を中心にした海域の水質・底質調査 2)海水中および底泥の酸素消費速度の測定 3)魚類養殖規模や方法に関する聞き取り調査 4)魚介類の体内に含まれる有害化学物質測定用のサンプルの収集 これらの結果を熱帯域の養殖漁場の基礎データとして蓄積していくとともに、乾期に発生する湾内底層への外洋水の流入現象の原因を明らかにすることを目指した解析を行った。この外洋水の流入は、湾内底層の貧酸素化の原因となるため、養殖の許容量に大きな影響を与える可能性のある重要な現象である。解析の結果、乾期においてジャワ島およびスマトラ島の南岸沿いに西向きの風が吹き、この風によってこれらの岸沿いで底層の高密度海水が湧昇し、ランプン湾、フルン湾内の底層に流入したものと推定された。このことは、この現象がランプン湾などに特有の現象ではなく、周辺海域にも発生しうる普遍的な現象であることを示唆しており、熱帯域の養殖漁場環境を考慮する上で重要な結果であるといえる。
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