研究課題
基盤研究(A)
本研究では、東南アジアで近年増加しつつある海面養殖による環境破壊を未然に防ぐための基礎研究を行うことを目的とし、インドネシアの政府機関と協力して6回にわたる現地調査と長期モニタリングを行った。主要な成果は以下のとおりである。1.対象海域は、熱帯域で成層が弱いにもかかわらず、貧酸素水塊が発生しやすく、養殖負荷に対して脆弱であることがわかった。これらの貧酸素水塊の発生には、高水温のために有機物分解が早く、酸素消費速度が大きくなりやすいことと、やはり高水温のために酸素飽和濃度が低いことが関係していると考えられた。2.対象海域では、渦鞭毛藻類のProtoperidiniumやPyrodinium bahamense等の赤潮が雨季の大雨の後に多く出現し、その後に養殖魚の大量死や疾病魚の大量出現が起こることがわかった。3.代表的な養殖魚である2種についての魚病の研究を行い、2種のウイルスを検出し、これらの感染と貧酸素水塊や赤潮などによるストレスが病気を発現させたものと推定した。4.対象海域および陸上の養殖施設において、polybrominated diphenyl ethers(PBDEs)が多く検出されたが、その他の有機塩素系(OCs)やブチルスズ系(BTs)化学合成物質の濃度は痕跡的であった。5.温帯域において開発された養殖上限量を推定するための物質循環モデルが熱帯においても適用可能かどうかを検討した。その結果、養殖量の上限を推定するモデルの係数は、温度依存性が高くて温帯よりも温度が安定している熱帯の方が適用しやすく、養殖海域の面積、水深、海水交換速度等から養殖上限量が推定できることが明らかとなった。
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Proceedings of International Workshop on Coastal Water Environments and Fish Culture-Case study in Lampung Bay,Indomesia- (in press)
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