研究課題
1.カルフォルニアの白亜系調査研究成果昨年度に引き続き、代表者の棚部と分担者の小玉、および研究協力者の伊庭靖弘(東大大学院生)は平成15年7-8月に米国カルフォルニア州北部、Sacramento川の上流域支流のNorth Folk Cottonwood Creek沿いに連続的に露出するオーテリビアンからチューロニアン中部にわたる白亜系のほぼ完全な連続層序を1/1500精度でのルートマップを作成しながら精査し、岩相層序と堆積相を詳細に調査した。これと並行して、古地磁層序(一部は微化石層序)を明らかにする目的で、すべての層準から5mごとに定方位堆積岩コア試料約300本を採取するとともに、多くの層準から大型動物化石の採集を行った。採集された堆積岩コア試料の一部は北海道大学理学研究科地球惑星科学専攻の岡田尚武教授に送り、石灰質ナンノプランクトンの抽出および鑑定を依頼した。さらに、平成16年2月に棚部、および研究協力者の伊庭靖弘とジェンキンズ・ロバート(東大大学院生)は、バレミアンからアプチアンにかけての地層を精査し、新たに見いだされた冷湧水起源と推定される炭酸塩岩の産状、岩相、含まれる化学合成化石群集、周囲の泥岩との関係、生痕相などを詳しく調べるとともに、室内研究用の岩石試料を採集した。2.アラスカの白亜系調査研究成果代表者の棚部と分担者の前田は、平成16年度の本調査に向けた予備調査として、平成15年6月にアラスカ南部Telkeetna山地およびCook湾岸に分布する上部白亜系を約10日間にわたり地質調査し、地層の露出状況や岩相・化石相の特徴などの概要を把握した。
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