研究課題/領域番号 |
14255002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
瀬戸口 烈司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20109086)
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研究分担者 |
増田 富士雄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091929)
神谷 英利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00115825)
真鍋 真 国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (90271494)
松岡 廣繁 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00324608)
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キーワード | 白亜紀 / 哺乳類化石 / 真獣類 / 御船動物群 / 阜新動物群 / 義県動物群 / 手取動物群 / 中国遼寧省 |
研究概要 |
白亜紀後期の哺乳類化石が世界各地から発見されてきたことにより、真獣類の二方向分化傾向--有爪類と食肉有蹄類への分化--は白亜紀後期にすでにはじまっていたことが明白となった。しかるに、白亜紀前期の陸成層の発達が局在しており、白亜紀前期の哺乳類化石はそれほど発見されておらず、哺乳類進化の実相は不明のままであった。1980年代に旧ソ連領の中部アジアから大量の後期白亜紀前期の哺乳類化石が発見されるようになった。しかし、それよりも古い、白亜紀前期を中心とした哺乳類化石の発見が待たれていたのである。 1990年代に、中国東北地区および日本で、白亜紀前期と白亜紀後期最前部の陸成層から相次いで哺乳類化石が発見された。それらの動物群は以下のように整理される: 白亜紀前期 御船動物群:日本・熊本県御船町。セノマニアン期 阜新動物群:中国・遼寧省阜新市。アプティアン-アルビアン期 沙海動物群:中国・遼寧省沙海県。バレミアン-アプティアン期 義県動物群:中国・遼寧省金州市。ネオコミアン期 土城子動物群:中国・遼寧省金州市。ネオコミアン期 手取動物群:日本・石川県白峰村。ネオコミアン期 白亜紀前期のこれらの時期の哺乳類化石は、まだ世界のどの地域からも発見されていない。世界的に見ても空白部を埋める化石資料が得られたのであるから、きわめて貴重な発見であり。 本年は、遼寧省阜新市近傍に発達する阜新層を対象にして、哺乳類化石の発見につとめた。多咬頭類を中心に30個の顎骨化石の収集に成功した。
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