研究概要 |
1.平成15年度は,チリ南部コジャイケ周辺地域で化石及び花粉資料の収集をおこなった。現地調査参加者は,西田,植村,奥田,矢部と,海外共同研究者のHinojosaの計5名である。また,研究協力者として,Miguel Rancusiが参加した。同じく海外共同研究者のHauserとは,所属研究機関において情報交換を行った。調査に先立ち,平成14年度の現地調査成果の中間発表と,15年度調査の事前連絡協議をかねて,千葉県立中央博物館において連絡会議を研究分担者全員が参加して行った。14年度採集資料の解析はそれぞれ進行しており,奥田は研究論文1編を準備中である。 2.現地調査は,平成15年12月26日から16年1月31日まで,チリで行い,以下の資料を収集した。 (1)Chile Chico近郊の古第三紀層の植物化石:新層準を発見し,多量の葉化石と花粉層序葉の資料を採集するとともに地質調査を行った。また,材化石も周辺地域で採集した。 (2)Coihaique北方の湿原において,ボーリング調査を行い,花粉資料を採集した。 (3)比較のための現生植物標本資料を採集した。 3.花粉資料は,土壌を含むため,横浜税関検疫所で薫蒸処理をするため,他の資料とは別に船便で発送した。植物化石及び,植物乾燥標本は,船便で搬送した。以上の採集資料は各研究分担者のもとで,解析をおこなう。 4.これまで当該地域の学術調査で収集した材化石について,寺田と朝川が共同研究を進めており,相互に研究連絡のため,1回ずつ研究機関へ出張を行った。 以上の資料をもとに,平成16年度以降の研究計画を進める予定である。
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