研究分担者 |
神田 穣太 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (60202032)
長島 秀樹 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10087570)
山口 征矢 東京水産大学, 水産学部, 教授 (70114220)
平譯 享 国立極地研究所, 助手 (70311165)
北出 裕次郎 東京水産大学, 水産学部, 助手 (50281001)
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研究概要 |
東京水産大学練習船「海鷹丸」による,南大洋インド洋セクターの調査・研究を実施した.期間は平成14年1月3日から2月12日までで,この間にケルゲレン海台付近および南極大陸縁辺の東経132度および140度の経線上での測線を中心に調査研究を行った.乗船した研究者および研究協力者は19人で,研究項目と観測内容は以下のようなものである.観測航海が年度末近くに実施され,また採集試料の分析は栄養塩やクロロフィルなどのいくつかの項目を除いて船上では行わず,海鷹丸の帰港(3月中旬)を待って開始したため,現時点では物理分野における研究を除けばあまり進んでいないが,今後,15年度の報告会に向けて鋭意解析を進める. 1.物理分野:停船中にはCTD, LADCPにより,航走中にはXCPや船底設置ADCPにより水温・塩分,流速の観測を行った.これらの観測データから,海洋の大循環,鉛直微細構造を明らかにするとともに,海鷹丸に搭載した衛星信号受信装置を用いてSeaWiFSの画像を取得し渦の観測を行った.東経132度および140度の断面における流速の見積もりからは,スロープカレントの流量は従来の報告に比して小さいとの予備的な結果を得た. 2.化学分野:各観測点で,チタンケーブルとテフロンコートNISKINX採水器を用いた水面から海底付近までの各層無汚染採水を実施した.これにより栄養塩の分布,鉄およびその他の金属元素の分布,水中二酸化炭素濃度,硫化ジメチルの分布等を明らかにする.また,二酸化炭素の表層連続測定を実施し大気との収支を明らかにする. 3.生物分野:各観測点では,採水試料を用いた基礎生産の測定と植物プランクトンの光合成特性の測定を行った.また採水法による植物プランクトンの採集,小型プランクトンネットによる表層性動物プランクトンの採集,多段開閉式中層トロールによる大型プランクトン・マイクロネクトンの採集,中層オッタートロールによる魚類,イカ類の採集を行った.今後,各群集の生物量や捕食・被食関係を調べ,生態系の構造を明らかにする.
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