研究課題/領域番号 |
14256002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
橋口 義久 高知医科大学, 医学部, 教授 (10037385)
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研究分担者 |
片倉 賢 群馬大学, 医学部, 助教授 (10130155)
上里 博 琉球大学, 医学部, 助教授 (60160157)
野中 薫雄 琉球大学, 医学部, 教授 (10039571)
是永 正敬 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00128274)
MANUEL Calvopina 高知医科大学, 医学部, 助手 (20346711)
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キーワード | 国際研究者交流 / 多国籍 / リーシュマニア症 / エクアドル / アルゼンチン / パキスタン / サシチョウバエ / 保虫宿主 |
研究概要 |
本年度、各調査対象国で得られた実績は以下のとおりである。 1)エクアドル国:同国北東部アンデス斜面の皮膚・粘膜皮膚リーシュマニア症流行地において疫学調査を実施すると同時に、患者からのskin biopsyならびに原虫分離のためのsyringe aspirationを行なった。陽性患者についてはイトラコナゾールによる治療を行なった。また、媒介者の調査ではLutzomyia trapidoi, Lutzomyia hartmanni, Lutzomyia panamensisなど7種の人吸血性サシチョウバエの分布が明かとなったが、Leishmania原虫による感染個体は検出できなかった。 2)アルゼンチン国:同国東北部アンデス山麓のサルタ県で近年アウトブレイクをみている皮膚・粘膜皮膚リーシュマニア症の流行地において疫学調査を実施すると同時に、患者からの原虫分離のためのsyringe aspirationやsmear標本の作成を行なった。また、本流行地においては媒介者が未決定であるため、患者の住居周辺でサシチョウバエ229個体を採集して解剖したが、原虫陽性個体は検出できなかった。なお、人吸血性の種類としてはLutzomyia cortellesiおよびLutzomyia intermediaの2種のみが採集されたことから、これらの種が媒介者である可能性が強い。 3)パキスタン国:同国南部に位置するShindh県ではアフガニスタン難民の流入による皮膚リーシュマニア症のアウトブレイクが報告されている。今回は本症流行の実態と媒介者や保虫宿主の解明を目的として調査を実施した。その結果、Sindh県では同症が広く流行しており、女性や子供での陽性者が多いことから、人家周辺型の伝播の可能性が示唆された。しかし、媒介者のサシチョウバエを採集することはできなかった。また、保虫宿主を明らかにする目的で、人家内で捕獲したネズミ2種を剖検したが、Leishmania原虫を検出することはできなかった。以上の現地調査で得られた患者由来の検体や病原虫については、電顕病理学的、分子生物学的解析を実施中である。
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