研究課題/領域番号 |
14256002
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
橋口 義久 高知大学, 医学部, 教授 (10037385)
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研究分担者 |
野中 薫雄 琉球大学, 医学部, 教授 (10039571)
上里 博 琉球大学, 医学部, 助教授 (60160157)
加藤 大智 山口大学, 農学部, 助教授 (00346579)
三森 龍之 熊本大学, 医学部, 助教授 (00117384)
CALVOPINA Manuel 高知大学, 医学部, 助手 (20346711)
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キーワード | リーシュマニア症 / サシチョウバエ / 保虫動物 / エクアドル / パキスタン / PCR / アイソザイム / Leishmania major or tropica |
研究概要 |
今年度は旧大陸のパキスタンと新大陸のエクアドルにおいてそれぞれ現地調査を実施し、リーシュマニア症の伝播・病態生理に関する情報や資料を収集して種々の解析を加えた。パキスタンではSindh県やBalochistan県で患者、保虫動物および媒介者(サシチョウバエ)の調査を行った。その結果、患者から分離した病原原虫は低地のSindh県ではLeishmania(Leishmania)majorであり、高地のBalochistan県ではL.(L.)tropicaであることが判明し、目下、患者病型との関係を解析中である。しかし、さらに調査研究を進め、この地域差がコンスタントなものか、あるいは混在する流行地も存在するか否かを確認する必要がある。また、保虫動物の検索では鼠類やイヌを検査したが、陽性個体は検出できなかった。媒介者のサシチョウバエに関しては多数の種類と個体が採取され、解剖した結果、1種1個体からLeishmania promastigote-likeの原虫が検出され継代培養中であるが、アイソザイムやPCR解析結果から、今のところLeishmania原虫とは異なる可能性が高い。エクアドルでは好適なPCR用の採材法の検討や大量培養のAmastigoteを用いた皮内反応用抗原によるSkin testingの有用性を原虫非感染、感染ヒト個体集団で検討し、それらの結果について目下解析中である。本皮内反応用抗原は特異性や感受性の点で、従来のPromastigote由来抗原よりも優れている可能性があり、疫学調査や診断面での応用が期待される。また、エクアドルで採取したサシチョウバエについてPCRによる種の同定と寄生原虫種の検出および同時同定方法を開発し、その結果は米国熱帯医学雑誌最新号に掲載予定である。この方法は、従来実施してきた個々のサシチョウバエの煩雑な解剖を簡素化できると同時に世界の流行地での対策前後のサーベイランスに応用可能であり高く評価される。以上のほか、海外の流行地から持ち帰った検体を基に種々の実験や、解析を加えた結果については多くの国際誌に発表したとおりである。
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