研究課題/領域番号 |
14256005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
市村 宏 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (10264756)
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研究分担者 |
荻野 景規 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (70204104)
武久 盾 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (90322114)
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キーワード | HIV母子感染 / ケモカインレセプター / 遺伝子多型 / 分子進化 / 薬剤耐性 / 国際研究者交流 / ケニア |
研究概要 |
1996年から2001年にかけて、東アフリカのケニアで、逆転写酵素阻害剤であるジドブジシ(Zdv)の短期投与によるHIV母子感染予防のコホート研究を行った。家庭での出産が主であるケニア西部の農村地帯においても、HIVに感染している妊婦を対象にZdvを分娩前1ヶ月間投与することによりHIV母子感染を約1/3に減少させ得ること、そして、Zdvを投与された母親からの児は投与されなかった母親からの児に比べ、その死亡率が有意に減少することを明らかにした(J Infect Dis183:1540-1541,2001、Am J Trop Med Hyg(in press))。このコホートのHIV母子感染例を対象にして、HIV母子感染ならびに小児エイズ発症に及ぼす宿主因子(ケモカインレセプター遺伝子の多型等)ならびにウイルス側因子の影響を検討している。 ケニア西部においてはHIV感染の有無に関わらずケモカインレセプターの一つであるCCR2遺伝子の1塩基多型(V64I)を持つ児は持たない児に比べ生存率が低いこと、CCR2遺伝子の1塩基多型(V64I)はHIV母子感染には有意な影響を与えないこと、また、HIV母子感染を予防するための分娩前短期Zdv投与では薬剤耐性ウイルスが誘導されないこと、そして分娩前短期Zdv投与にかかわらずHIV母子感染が成立した原因は薬剤耐性ウイルスの感染によるものではないことが明らかになってきている。
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