研究課題/領域番号 |
14310004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
溝口 宏平 大阪大学, 大学教育実践センター, 教授 (80116178)
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研究分担者 |
入江 幸男 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70160075)
中岡 成文 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00137358)
上野 修 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10184946)
望月 太郎 大阪大学, 大学教育実践センター, 助教授 (50239571)
舟場 保之 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20379217)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | グローバリゼーション / ローカリゼーション / コミュニケーション理論 / 風土 / 公共性 / 科学技術 / 生活世界 / 普遍主義 |
研究概要 |
本研究は、思想領域における「グローバリゼーション」と「ローカリゼーション」の現象を哲学的視点から明確に概念化し、思想分野に見られる二傾向の諸事例を検証したうえで、哲学思想の交流の可能性、単なる普遍言語論に限定されないコミュニケーション論、さらには環境倫理の枠を越える風土倫理等の追求をめざして計画され実施されたものである。これらの課題の特色は、20世紀末に顕著になってきた政治的経済的レベルにおけるグローバル化と、その対抗現象としてのローカル化ないしリージョナル化現象の哲学的水準における把捉の局面という点にある。具体的な追求形態とそこから得られた主な知見は、以下のとおりである。 1.社会問題のグローバル化とそれを解決するための公共性の担い手問題の解明。ここでは、グローバルな公共的議論の必要性、公共性の概念、対抗的公共圏のための代弁者としてのボランティアの意義等が明らかにされた。 2.環境問題のグローバル化の思想的基礎の考究、自然科学および科学技術による生活世界の隠蔽や経済学的な切り落としの実情の解明およびそれらの克服の可能性の探求。この問題に関しては、経済学の倫理学による再構築、技術の新形態(エレガントな技術体系)の構想、新しい風土論の展開の可能性などが提示された。 3.グローバリゼーションにおける民族間の相互承認の可能性の探求。特に対話の可能性としての闘争の意義などが明らかにされた。 4.グローバリゼーションへの対応にとって重要な意義を担うコミュニケーション理論の可能性の考究。ここでは特にハーバーマスに代表される当該理論の普遍主義的性格の検討がなされた。 5.大学改革に見られる市場経済のグローバル化の影響の分析と解釈。 以上の他に、認識論、科学論、解釈学及び歴史哲学の観点からもグローバリゼーションの問題へのアプローチがなされた。
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