研究課題/領域番号 |
14310007
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊東 倫厚 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80012459)
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研究分担者 |
近藤 浩之 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (60322773)
ゆはず 和順 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80210590)
佐藤 錬太郎 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40196291)
室谷 邦行 北海道工業大学, 教養部, 教授 (50210076)
水上 雅晴 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (60261260)
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キーワード | 易 / 易学哲学史 / 朱伯崑 / 魏晋 / 唐 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 中国:韓国 |
研究概要 |
本年度は、前年度に引続き、従来の研究を総括するため、朱伯崑『易学哲学史』の翻訳を機軸として、易学文献データの整理、関連資料の訳注・翻訳の作業を進めた。ほぼ毎週一回、訳注検討会を開き、ほぼ毎月一回、研究例会を開いた。その都度、資料の蓄積、分析の深化、成果の確認と計画の推進をはかった。主に<先秦>を伊東倫厚・近藤浩之、<前漢><後漢>をきゅう和順、<魏晋>を室谷邦行、<隋唐>を末岡実、<北宋>を山際明利、<南宋>を名畑嘉則、<元明清>を佐藤錬太郎・小幡敏行・水上雅晴が担当し、伊東倫厚が全体を統括している。原著全四巻に対する訳注は、十数冊に分割されることになるが、来年度までには、両漢時代、北宋時代、南宋時代、明時代(方以智之部)などの各冊が、順次陸続と刊行できる見込みである。 特に本年度は、朱伯崑原著・伊東倫厚主編・室谷邦行責任編輯『易学哲学史』<第二編 漢唐時代(魏晋唐之部)>を刊行したことが顕著な研究実績である。唐の孔穎達は、魏晋の王弼学派の易学理論について、新たな解釈を施し、その「貴无賤有」の思想を止揚し、虚無なる実体を、「自然にして有り」「自然无爲」あるいは「然る所以を知らずして然る」ことと解釈し、玄学における貴無論を崇有論へと向かわせ、漢易における元氣説と陰陽二氣の説を再び肯定して、更に前進發展させたこと、などが明らかとなった。 また、本年度は、7月26日〜27目に、「東アジアにおける易学の展開-その受容と影響-」というテーマで、科研易学国際会議を開催し、日本人3名、韓国人4名、中国人2名の研究者が学術報告を行なった。道器論、太極説及び乾坤説などをめぐる、各時代・各地域の易学の成立・受容・影響が明らかにされた。
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