研究課題
本年度は、三年計画の二年次にあたっている。本年度は、主たる研究対象であった、宋の顔延之「庭話」の訳注作業が終了したのに引き続き、研究対象となる時期の三教交渉史に於ける重要な思想家である梁の沈訳の文集(書・論・記・序の部分)の会読を開始し、ほぼ毎月のペースで、計九回の会読研究会を開催した。今年度は8名の研究分担者に加え、7名の協力者を得て行われた。(今年度より協力者に新潟大学の仏教研究者一名と、京都大学大学院文学研究科博士後期課程の学生二名を増員した。)研究会は、毎回三時間にわたって行われ、常時12〜3名の参加者により、担当者の提出した訳注稿の検討を行ない、あわせて会読の対象となった文章の用語、あるいはそこに見える思想について活発な討論を行ない、おもに当時の精神史における仏教の持つ意味を中心に、新たな知見を得ることができた。また、同時に「庭話」の訳注稿について、上記会読研究会と平行して、最終的な内容の再検討を開始した。訳の再検討をするばかりでなく、会読開始時には購入できていなかった電子版四部叢刊による注釈の増補も行っている。また、各自は研究分担に応じた個別研究をすすめており、報告書を載せる研究論文作成の準備にはいっている。最終年度は、上記「庭話」訳注の再検討と決定稿の作成、ならびに各個別研究の研究発表を行っていく予定である。
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