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2005 年度 実績報告書

世界のグローバル化と宗教的ナショナリズム原理主義の台頭に関する比較宗教学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14310015
研究機関創価大学

研究代表者

中野 毅  創価大学, 文学部社会学科, 教授 (00164252)

キーワードグローバル化 / 宗教の変容 / ナショナリズム / 原理主義
研究概要

1)今年度の調査・研究においては、欧米におけるナショナリズムの台頭と宗教との関係、宗教と政治との関係についての最新の動向を調査し、日本との比較をすることを念頭に置いて進めた。そのため2001年9月11日同時多発テロ以降の米国の宗教と政治の関係について整理した。テロ直後のブッシュ政権の対応、2004年11月の大統領選挙においてブッシュ大統領は再選されたが、その選挙戦略および支持基盤が、如何に米国の宗教右翼と呼ばれる保守派教会に大きく依存しているかを解明した。また、日本の小泉首相が靖国参拝にこだわっている理由を遺族会などの総裁選での支持基盤との関係から見直し、ブッシュ政権と小泉政権が保守系宗教団体・宗教伝統に大きく依存して成立している明らかにした。この点を、拙論「宗教化する政治・政治化する宗教」として公刊した。
2)7月17日から7日間、東欧のクロアチアに出張し、第28回国際宗教社会学会大会に参加して報告するとともに、中央・東ヨーロッパにおける伝統教会の復興、さらに国家との関係が一様ではないが次第に緊密になってきている最新の状況について、多くの報告を聞くとともに、直接何人かの研究者と論議を重ね、論文・資料を収集した。またクロアチア国内に残る前内戦の戦跡を訪ね、その戦闘の物理的精神的傷跡の大きさを確認してきた。この内容については、「第28回ISSR/SISR(国際宗教社会学会)ザグレブ大会の報告」として近日中に公刊される予定。
3)国内においても筑波大学、大阪大学、関西大学、国立民族学博物館などの研究機関をおとづれて資料を収集、研究者との論議を重ねた。また靖国神社はじめ各地の護国神社、愛知県三ヶ根山や神奈川県熱海市のA級戦犯の慰霊施設を調査し、昨今の日本における宗教とナショナリズムの表出の実態を検討していった。
4)昨年度組織化した「グローバル化する世界と宗教」研究会は、4年間に収集した資料や記録の整理を兼ねた小研究会を何度か行い、研究協力者たちと海外論文の翻訳や論文の執筆をすすめ、報告書作成の準備を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] グローバリゼーション論の再検討と宗教問題2006

    • 著者名/発表者名
      中野 毅
    • 雑誌名

      ソシオロジカ(創価大学社会学会) 第30巻2号

      ページ: 19-43

  • [雑誌論文] 現代ロシアのナショナル・アイデンティティーと公教育における宗教教育2006

    • 著者名/発表者名
      宮川真一
    • 雑誌名

      ソシオロジカ(創価大学社会学会) 第30巻2号

      ページ: 91-110

  • [雑誌論文] 集合的記憶のポリティクス-沖縄におけるアジア太平洋戦争後の戦没者記念施設を中心に-2006

    • 著者名/発表者名
      粟津賢太
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告 第126集

      ページ: 87-118

  • [雑誌論文] 第28回ISSR/SISR(国際宗教社会学会)ザグレブ大会の報告2006

    • 著者名/発表者名
      中野 毅
    • 雑誌名

      宗教と社会 第12号(未定)

  • [雑誌論文] 宗教化する政治・政治化する宗教-ブッシュ政権と小泉政権の宗教依存-2005

    • 著者名/発表者名
      中野 毅
    • 雑誌名

      現代宗教2005(東京堂出版)

      ページ: 50-82

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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