研究課題
基盤研究(B)
本研究は、世界のグローバル化、特に世界が単一性を増大させるグローバル化の進展に伴って、伝.統宗教や伝統文化が復活していくというグローカル化現象に注目しながら、宗教的ナショナリズム・原理主義の台頭とカルト/セクト・キャンペーンとの関係について、マクロな比較宗教学的研究をめざすものである。理論的には、グローバル化と宗教に関する諸文献を収集し、ウォーラーステインの世界システム論、ギデンズの再帰的近代化論、そしてロバートソンのグローカル化論などの当該テーマに関する諸理論の検討を通して、グローバル化に伴ってローカル化が進展し、新たなナショナル・アイデンティティーの追求から原理主義的傾向が強まるという点を確認した。さらに欧米諸国における反カルト運動のナショナリズム性やキリスト教原理主義の台頭、韓国や中国におけるカルト取り締まりの現状、メキシコやチリなどの中南米における宗教的復興、中東欧の国家再建と宗教復興、日本の靖国神社・護国神社問題などの調査や分析をとおして、原理主義的主張とナショナリズムとの結合が世界の主要国での傾向であることを解明できた。本報告書には以上の問題設定のもとに進めてきた研究過程で得られた知見や成果をまとめ、集成した。結果的にカルト/セクト問題は既に刊行しているものもあるので、ナショナリズム関連に重心が置かれることになった。収録した諸論考は、代表者による研究成果をもとにした基本論考と、国際宗教社会学会(ISSR/SISR)のメキシコ、トリノ、ザグレブ各大会、国際宗教学宗教史学会(IAHR)東京大会、アメリカ宗教学会(AAR)などの各種国際学会、また本研究の進展をめざして組織した「グローカル化する世界と宗教」研究会などにおいて、このテーマのもとで行ったシンポジウムや共同発表などの場で報告された重要な論文を中心としている。それらを2〜4部として、小テーマごとにまとめてある。研究経過については巻末の5を参照していただきたい。
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聖学院大学総合研究所紀 37号(印刷中)
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ソシオロジカ(創価大学社会学会) 30巻2号
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GENDAI SHUKYO
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Bulletin of the association of Korean Buddhists Professors Vol.10
Interpretaciones actuales de la religion : Memorias de la XXVI Conferencia SISR, Mexico, 2001
ページ: CD版
Interpretaciones actnales de la religion : Momorias de la XXVI Conferencia SISR (Mexico, 2001) CD edition