研究課題/領域番号 |
14310021
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 英道 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80000397)
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研究分担者 |
尾崎 彰宏 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80160844)
有賀 祥隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20133613)
松本 宣郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60011368)
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キーワード | 古典主義 / イタリア / 北方 / ファン・マンデル / 白鳳・天平 / 縄文・弥生 |
研究概要 |
古今東西の様式的な比較により現代的な観点から「古典主義」の概念を検討してきた。まず「古典主義」の様相をイタリアおよび北方美術に分けてそれぞれの領域における古典主義の浸透を調査研究した。イタリアにくらべると、希薄と思われがちな北方美術における古典主義の進展は、ファン・エイクを古典とするファン・マンデルの理論的な立場に見られるように、15世紀から17世紀に後半に受け入れられていることが判明した。イタリアの場合は古代との関係が密であるのに対して、北方ではむしろ新しい古典を創り出すという点で違いが見られる。 「古典主義」というのは何も西洋だけの専売特許ではない。日本にも確固とした古典主義の時代があった。白鳳・天平の時代がそれにあたる。その時代に制作された芸術作品を見ることによってその時代の精神を彷彿させることができる。この感性が後の鎌倉時代の彫刻群の一大山脈を築き、日本の芸術を世界に冠たるものとならしめた。日本の「古典主義」の世界には、仏教だけでなくそれ以前の縄文、弥生の文化も充分にこめられている。それだけにインドや中国と異なる自律的な形象が感受されることが明白となった。 こうして研究成果が3月1日「西洋美術における「古典主義」の諸相に関する包括的研究会」(東北大学文学研究科美学・西洋美術史研究室主催)で発表された。
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