研究課題/領域番号 |
14310023
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森谷 宇一 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70033181)
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研究分担者 |
北野 雅弘 群馬県立女子大学, 文学部, 助教授 (80195271)
渡辺 浩司 大阪大学, 文学研究科, 助手 (50263182)
加藤 浩 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (00204488)
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キーワード | 自然感情 / 風景 / 景観 / 風土 / 風景論 / 海 / ホメロス / 志賀重昂 |
研究概要 |
研究代表者は、自然感情と風景との両面にわたって、従来の研究にもとづき講義とも関連させてこれをさらに拡充深化させることができた。1自然感情に関して。(1)ホメロスの自然感情をひきつづいて解明した。すなわちホメロス的自然感情の領域的様相という見地から、本年度は特に種々の鉱物についてのホメロス的な見方や感じ方をあきらかにした。来年度はホメロス的自然感情について、領域的様相のみならず実質的ないし美的様相を解明するとともに、聖書の自然感情との比較をも試みたい。(2)自然感情の概念と本質、自然感情の類型論といった原理的ないし一般的な方面については、特に来年度に研究を進めるつもりである。2風景に関して。(1)風景の発見、風景の本質と意義、風景の様式ないし美学、風景の種類といった原理的ないし一般的な方面について、かなりの程度まで解明することができた。より詳細ないし具体的にいえば、風景観の歴史、風景と景観と風土という三者の異同ないし関係、風景の自然的性格と歴史的性格、風景の人間学的・思想的意義、理想的風景と日常的風景、風景としての田園・山岳・海・都市などの問題をとりあげた。来年度はあらたに風景の文学的表現という問題をとりあつかうことにする。(2)日本の最も代表的な風景論たる志賀重昂『日本風景論』をとりあげ、その方法論的特徴、根本思想、風景感覚、著作の材料、歴史的意義などについて徹底的に解明した。来年度は『日本風景論』を内村鑑三『地理学考』(『地人論』)や上原敬二『日本風景美論』などと比較するとともに、古代以来の日本風景論の系譜をあきらかにしたい。 研究分担者のうち北野雅弘は、ギリシア・ラテン文学、特にギリシア悲劇にみられる自然感情や風景表現を解明した。加藤浩は、ギリシア・ラテン文学の風景表現におけるレトリック的要素を探究した。渡辺浩司は、ギリシア哲学、特にアリストテレスにおける自然概念を解明した。
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