研究分担者 |
天野 文雄 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90201293)
菊川 徳之助 近畿大学, 文芸学部, 教授 (80214740)
楠原 偕子 日本橋学館大学, 人文経営学部, 教授 (20070542)
神山 彰 明治大学, 文学部, 教授 (20287882)
永田 靖 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80269969)
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研究概要 |
3年計画の2年目である15年度も、4回の研究会(9月、12月、3月)を持った。本年度は、西欧の演劇史研究をとりあげ、それぞれの特異性に基づく研究方法の比較検討を行ったが、具体的には、以下の国の演劇史をとりあげた。( )内は報告者がとりあげた主な演劇史書。 アメリカ演劇史 報告者:楠原楷子 (D.B.Wilmeth & Ch.Bigsby(ed.), The Cambridge History of American Theatre, 1998) フランス演劇史 報告者:小田中章浩 (J.de Jomaron(ed.), Le Theatre en France, 1988.) ドイツ演劇史 報告者:山下純照 (Christopher Balme, Ein Einfuhlung in die Theaterwissenschaft, 1999. F.Michael und H.Daiber, Geschichte des deutschen Theaters, 1969.) ロシア演劇史 報告者:永田 靖 (ロシア演劇史7巻本 История руского драматического театра, T1-7, 1987. ソヴィエト演劇史6巻本 История советского драматического театра T1-6, 1971.) 討論を通じて、演劇学全般における演劇史研究の位置づけが、それぞれの国によって異なることが明らかにされた。それは一過的な演劇を研究対象とすることの意味の自覚によることであることが知られ、日本の演劇研究との比較において、多大の示唆をうけた。 また、本年度は、イェール大学教授で現代演劇の代表的研究者の1人であるJoseph Roach氏を招聘し、無形遺産としての演劇に関する公開の討論を行った。ここでも、演劇が無形であることから生じる継承、維持のあり方と相互関係の問題が論じられ、比較研究の重要性が改めて強調された。
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