研究課題
基盤研究(B)
4年間の研究活動全体の立ち上げにあたり、本研究テーマにアプローチするための理論的・実践的フレームワークをどのように構築していくかをめぐって、研究代表者・分担者を中心とする学内レベルの研究準備会を数回にわたって実施した。その結果、次年度以降の研究活動をより効率的・効果的に推進していく上で、映像記録用機材の早期充実が不可欠との結論に達し、平成15年度以降に購入予定だったものも一部前倒しにする形で、初年度はテクニカルなシステムの構築を最優先に行った。研究分担者の伊藤を中心として数回の議論を重ね、本研究の予算規模に見合う形で、この作業は当初考えていた性能の機材を、ほぼそろえ終えることができた。本研究の重要な素材のひとつである京都芸術劇場における《上演実験》シリーズ(「学術フロンティア」の助成により運営されている)は、平成14年度終了時点ですでに8本を数えているが、上記の機材を使った撮影作業もすでにスタートしている。本研究の開始以前からすでに蓄積しているテープも合わせると、素材の面では、いわゆる「古典演劇」から「現代演劇」まで、歌舞伎を除けば一通りカバーするところまで到達しており、「記録と記憶」の問題系におけるジャンル間の差異を、各種の研究会を通じて探求していく準備作業は、当初の見込み通り進行しているといえる。次年度以後は、(1)個々の素材の「編集」という具体的な作業に力点をおいた学内研究会の組織、(2)編集版のテープに基づいて、舞台芸術における「記録と記憶」の相関関係を理論的に検討する学外研究者との研究会の組織、が中心的な課題となる。
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