研究課題/領域番号 |
14310050
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
四日市 章 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (20230823)
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研究分担者 |
鄭 仁豪 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80265529)
鷲尾 純一 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80220854)
斎藤 佐和 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (00015819)
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キーワード | 聴覚障害 / 読み / 作文 / 眼球運動 |
研究概要 |
平成14年度は、聴覚障害児の読みと文章産出に関する基礎的な研究を行った。 1.読み過程の分析 聴覚障害児の文章読みの方略を明らかにするために、先天性重度聴覚障害40名を対象として物語文黙読時の眼球運動を分析し、読書力の高い群と低い群との比較を行った。眼球運動測定装置(竹井機器・FreeViewHMS)により、読みの時間、停留頻度、停留時間、回帰運動頻度、飛躍運動距離、理解の程度を分析した。その結果、読書力の高い群では、読書力の低い群に比べ、読みの時間が短い、停留頻度が少ない、停留時間が短い、回帰運動が少ない、飛躍運動距離が長い、その結果理解度も高い傾向が示された。また、読書力が高い場合、中学部群は、小学部群に比べて、停留頻度が少なく、飛躍運動距離が長いこと、文頭と文末での停留の規則性などの発達的変化が確認された。 2.文章産出過程の量的分析 重度聴覚障害高校生50名の書いた53編の作文について、文字と文の数、長さ、品詞ごとの語の出現頻度と割合、及びこれらの量的指標と教師による一般的な書き能力の評価や聴力との関係について検討した。作文全体で、名詞が25%、助詞30%、動詞が15%含まれており、これらで全体の70%を占めていた。教師の5段階評価による書き能力と量的指標との関係については、最も評価の低い生徒群での個人差が大きかったこと、他の評価の群では、産出文の量的な側面と教師の評定との間に一貫した傾向は見られず、書き能力が異なっても産出文の量的な面での相違は顕著でないことが明かとなった。また、聴力と産出文の量的側面との間にも一貫した傾向は見られなかった。 現在、これらの研究のまとめと学会誌への論文投稿の準備を進めてい
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