研究課題
平成16年度は、聴覚障害児の読みと文章産出、及び作文の評価に関する研究を行った。1.読み過程の分析本年度は、説明文と詩文読みの際の眼球運動を、読書力の高い群と低い群との比較を通して検討した。眼球運動の分析には、非接触角膜反射式眼球運動装置(竹井機器・Free View HMS)を用いた。その結果、説明文と詩文の読みでは、物語文読みと同様に、読書力高群では、停留時間や頻度の減少に伴う読みの時間の減少や読みのスパンの増加などの発達傾向が示されたが、読書力低群ではそのような変化がほとんど示されないことが明らかになった。しかしながら、読書力低群の小学部段階では、物語文に比べて説明文の読みの理解度が高いこと、詩文読みにおいては、1回目読みに比べて2回目読みに時間を掛けて読み直している傾向も確認できた。2.文章産出過程の量的分析これまで継続的に行ってきた健聴者及び重度聴覚障害高校生の作文の分析に加え、重度聴覚障害小学生・中学生の作文資料についての分析を行った。作文の形式的な側面については、成人段階の品詞構造が基本的には小学部低学年段階でほぼ獲得されることを明らかにした。また、聴覚障害児の産出文データベース構造の基本方針を明らかにした。3.作文の評価の分析聾学校教師による作文の指導や評価の実践及び作文における生徒や教師の持つ課題について分析し、評価カテゴリーの抽出を行った。また、作文評価尺度の作成と現場での適用可能性について検討した。
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心身障害学研究 29巻(印刷中)
特殊教育学研究 41巻5号
ページ: 453-464
日本特殊教育学会42回大会発表論文集
ページ: 376
ページ: 372
日本読書学会48回大会発表論文集
ページ: 5-14
特殊教育学研究 42巻3号
ページ: 237-242