研究課題/領域番号 |
14310055
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
氏家 達夫 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (00168684)
|
研究分担者 |
井上 裕光 千葉県立衛生短期大学, 助教授 (40279617)
五十嵐 敦 福島大学, 教育学部, 教授 (40241731)
二宮 克美 愛知学院大学, 大学院・総合政策研究科, 教授 (20135271)
|
キーワード | 中学生 / 非行・反社会的問題行動 / 心身症状 / 親子関係 / 夫婦関係 / 威厳のある親の態度 / 縦断的分析 / 横断的分析 |
研究概要 |
本年度は3回調査(縦断研究の3〜5回に当たる)を行った。1回目は2003年6月に、2回目は2003年9月に、3回目は2004年1月に実施した。1回目と3回目の調査対象は、愛知県内の9つの中学校および福島県内の4つの中学校に在籍する中学生2年生3,000名であり、2回目はさらにそれぞれの両親を研究対象とした。調査内容は、1回目が、非行・反社会的問題行動の程度、心身症状の程度、友人関係、ストレス、自己概念であった。2回目は、親の行動認知、家庭の雰囲気、友人関係、心身症状の程度、非行・反社会的問題行動の程度、自己概念であった。3回目は、学校適応、将来展望、抑うつ、自己概念などであった。2回目の親調査は、家庭の雰囲気、夫婦関係、子どもに対する行動や態度、子どもの心身症状の認知、子どもの非行・反社会的問題行動の認知、親権威であった。 本研究は、中学生を3年間追跡し、問題行動の消長パターンと親や本人の心理的要因との関連を縦断的に明らかにしようとするものである。今年度は、中学2年までの追跡を終了した。 現段階までの主な結果は次の通りである。横断的分析の結果、子どもに対する親の態度や夫婦関係は、子どもの心身の問題に直接影響をもたなかった。しかし、それらの要因は、子どもが自分と親との関係認知を経由して、心身の問題を予測することがわかった。 最初の2回の縦断的分析によれば、中1の9月段階の親の威厳のある態度は、翌年の1月における子どもの心身症状を直接予測しなかった。しかし、親の威厳のある態度は、1月における子どものストレスを低下させる効果をもち、間接的に子どもの心身症状を抑制する効果をもつことがわかった。 今年度の分析結果は、日本発達心理学会第15回大会で発表された。また、2004年7月にベルギーのゲントで開催される国際行動発達学会(ISSBD)で発表予定である。
|