研究課題/領域番号 |
14310055
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
氏家 達夫 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (00168684)
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研究分担者 |
二宮 克美 愛知学院大学, 大学院・総合政策研究科, 教授 (20135271)
五十嵐 敦 福島大学, 総合教育研究センター, 教授 (40241731)
井上 裕光 千葉県立衛生短期大学, 助教授 (40279617)
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キーワード | 縦断データ / 中学生 / 抑うつ / 非行 / 親子関係 / ストレス / 自己概念 / 問題行動 |
研究概要 |
本研究は、中学生を3年間追跡し、問題行動の消長パターンと親や本人の心理的要因との関連を縦断的に明らかにしようとするものである。調査は、平成16年度に終了したが、7回にわたって、各回約1000組を超える親子を対象とした調査であったため、膨大な量の入力作業、及び一次的分析に多くの時間を要した。現在進められている分析は、各測定時期の子どもたちの問題行動の実態に関するもので、まだ学会で口頭発表する段階のものである。論文については、学会での口頭発表の一部を使って投稿する準備を進めているところである。全縦断データが使用可能になったのは今年度の途中であったため、本研究の目的であった中学生の問題行動の発生モデルを見つけ出し、危険要因と防御要因を特定するための分析は、現在進行させているところである。 現段階でわかっていることは、非行行動の深まりに特定のパターンが認められること、抑うつ症状を呈すると判断される子どもはサンプルの20%程度に上ること、しかも継続的に抑うつ症状を報告する子どもが縦断サンプルの10%程度に上ること、抑うつに対する親の影響は限定的で間接的であること、自己概念や友人との関係が強い影響力を持っていること、などである。これらの分析結果は、アトランタで開催された児童発達学会(SRCD)において2件の口頭発表で、札幌で開催された日本教育心理学会において4件の口頭発表で、サンフランシスコで開催された青年発達学会(SRA)で4件の口頭発表でそれぞれ報告された。
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