研究課題
基盤研究(B)
かしこい市民を育むために不可欠なシヴィル・ミニマムとしての経済知識に関する2つの調査を市民(大学生・高齢者を含む成人対象、および、小学生を対象)に実施し、その内容を心理学と経済学の両観点から検討した。調査I.市民対象の調査:調査に含めた項目内容として、(1)金融・中央銀行・消費・景気動向・貿易・税金など経済知識、(2)医療・生命保険の基礎知識と保険に対する態度、(3)資産運用を中心とした日常活動に伴うリスク認知とリスクテーキング行動、(4)詐欺商法(キャッチセールス、マルチまがい商法、運勢商法など)に関する態度、(5)官庁・企業の経済活動とそれに伴う説明責任に関する意見・態度、(6)教育投資論と教育における市場原理導入などに関する意見・態度、(7)経済学の予測力と有用性の認知、などについて概念整理を行い、A4判8ページからなる質問紙を作成した。対象は、東京都、さいたま市、松本市、京都市の大学生ほか915人(男523人、女391人、不明1人)である。共分散構造分析の結果、経済情報が経済知識に影響を与え、それが一方では経済リスク志向と企業観に、もう一方では税意識と教育観に影響を及ぼすという関係が示された。調査II.小学生を対象とする金融知識と消費行動の調査:(1)小遣いの実態とその使い方、(2)銀行・郵便局などの金融機関の役割に関する知識、(3)商品購入時に必要な知識と購入動機、(4)価格の決定因に関する理解、などに関する知識と態度を調べる項目を中心に、A4判8ページからなる質問紙を作成し、京都市とさいたま市で実施し、児童期の経済知識の発達を明らかにした。研究結果は「児童期における経済学的理解の発達-貯蓄・購買行動と経済学的事象に関する推理」という論文にまとめた。
すべて 2005 2004
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