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2002 年度 実績報告書

進路意思決定における認知・感情過程のモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 14310058
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

楠見 孝  京都大学, 教育学研究科, 助教授 (70195444)

研究分担者 齊藤 貴浩  大学評価・学位授与機, 構・評価研究部, 助手 (50302972)
上市 秀雄  東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (20334534)
山岸 侯彦  東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (70286136)
キーワード意思決定 / 進路選択 / 後悔 / 進路指導 / 認知的不協和 / 大学受験 / 高校生
研究概要

本研究の目的は、第1に、高校生の進路決定プロセスを支える認知的メカニズムを明らかにし、第2に、満足や後悔などの感情要因の影響を明らかにすることである。S県立高校3年生379名に対して、11月に進路選択に関する質問紙調査を実施した。共分散構造モデルを用いて分析した結果、上位目標、進学理由、考慮・制約条件、自分の過去経験や他の人の経験などが進路決定方略に影響を及ぼすことを明らかにした。さらに、高校卒業後の夏休みに追跡調査を郵送法でおこなった。とくに、進路意思決定による受験合格不合格、新しい生活の満足度、それらが、後悔にどのような影響を及ぼすのか、さらに、心理的修復(認知的不協和の低減、合理化など)や行動的回復が、時間経過によってどのように現れるかを検討した。155名の回答が得られ、そのうち、大学などへの進学者は110名(第一志望校進学者45名、第一志望校以外への進学者65名)であった。進学理由に対応する満足度に関しては、「友人を得る」、「職業の資格」で期待よりも満足が大きかった。また進学校が第一志望校か否かによって比較を行うと、「青春をエンジョイする」では、第一志望校進学者は満足の方が大きかった。後悔に関しては、第二志望校進学者は、第一志望校進学者だけでなく浪人生よりも、後悔が大きかった。後悔への対処に関しては、浪人生は、進学者たちよりも、後悔を合理化しやすいことが明らかとなった。また浪人生は、もう一度受験前に戻ったとしても、浪人覚悟で同じ大学を受験するという意識が強いことが示された。さらに、最終段階における出願校の決定要因に関する自由記述を、受験前後で比較した。その結果、同じ条件が最終決定を行う際の決め手になっていても、なぜそれが決め手になるのかという理由については異なっていることが明らかになった。多くの条件において、ポジティブな理由とネガティブな理由の両者がみられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Matsuo, M., Kusumi, T.: "Salesperson's procedural knowledge, experience and performance : An empirical study in Japan"European Journal of Marketing. 36・7&8. 840-854 (2002)

  • [文献書誌] Yamagishi, K.: "Proximity, Compatibility, and Noncomplementarity in Subjective Probability"Organizational Behavior and Human Decision Processes. 87. 136-155 (2002)

  • [文献書誌] Yamagishi, K.: "Effects of valence and framing in decision making : Assessing decision makers' perceived domains of choice"Japanese Psychological Research. 44. 208-226 (2002)

  • [文献書誌] 小口孝司, 楠見 孝, 今井芳昭(編): "エミネントホワイト:ホワイトカラーへの産業・組織心理学からの提言"北大路書房. 212 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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